健康栄養学科

ゼミ研究・活動

小麦・卵・乳を含まないオープンキャンパスランチ提供

 本学では高校生が来学するオープンキャンパスで、4年生が作るランチを提供しています。2019年度は、昨年度「小麦・卵・乳を含まないランチ」を提供した後の課題を踏まえ、献立やレシピ内容を何度も試作を重ねて改良し、以下のようなランチを提供しました。

 5月19日にはパン粉の代替えとして生おからを乾燥させた乾燥おからパン粉を用いた鯵の香草パン粉焼きを、6月30日には通常のルウを使わず溶き米粉でとろみをつけたカレーを、7月28日には米粉と冷凍長芋とろろで作った衣で揚げたイカの磯部揚げ・紅生姜揚げを、8月18日には米粉100%パンを含むランチを提供しました。喫食者のアンケートでは9割以上の方に美味しいと言っていただけましたが、新たな課題も見つかりました。

 次年度もアレルギーの有無に関わらず、皆同じ給食が食べられる機会を増やすためのレシピ検討を継続していきます(大場研究室)。

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まだまだ野菜が足りていない!?

 令和元年からだ改善プロジェクト第6回目を実施しました。9月に実施した個別指導や今までの血液検査の結果から、朝食で野菜摂取を増やす必要があると考えられました。そこで、朝食で野菜を摂れるような献立と、フレンチトーストの作り方をフライパン、グリル、電子レンジの種類別に提案し、ご家庭にあった調理法を選択していただけるようにしました。それに関連して、野菜をたくさん食べるための調理工夫やお正月の過ごし方について資料を作成して説明しました。

 調理実習では、忙しい朝でも手軽に野菜摂取できるポイントを伝えながら、実習しました。また、参加者の方からは「野菜料理のレパートリーが増えた。」「食品の組み合わせを考えるようになった。」という意見がありました。一方、「自分は適塩に慣れたが、家族には薄いといわれてしまう。」という意見もありました。集団指導を通して参加者個人の家族にも反映させることの大切さが分かるとともに、とても難しい課題だと感じました。

 今回で私たちが関わる食事指導は最後でしたが、回数を重ねていく中で会話が弾んだり、気軽に質問をしてくださる参加者の方が多くなっていき参加者の方との距離が縮まっていったことをうれしく思いました。その反面、自分たちの知識不足や指導する立場としてのコミュニケーション能力の未熟さを実感しました。この6回にわたるからだ改善プロジェクトを通して少しずつ成長することができました。この経験を生かし、社会で活躍できるよう努力していきたいと思います。(笠井研 今井 茜)

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今年はこんな研究をしました

 髙田研究室では、岐阜県畜産研究所との官学連携で、牛肉の官能評価を実施しています。牛肉の美味しさは、外観、旨味、食感、香りから構成されており、これらの要素は、肉の色・アミノ酸・脂肪交雑(霜降り)・脂肪酸などであり、これまでに、「牛肉の食味とオレイン酸含量」「牛肉の食味とパルミトレイン酸含量」などについて研究してきました。今年は、「牛肉の色沢と食味」の関係の官能評価と、今後導入が検討されている和牛の一種である日本短角種の牛肉の嗜好に係る官能試験も実施しました。

 牛肉ばかりでなく、6次産業化へも目を向け、カルシウムやビタミンCが豊富な「つるむらさき」で6次産業を実践している地域の農家レストラン「つるや」さんから「つるむらさき」の提供を頂き、一緒にその利用方法について研究しました。産学の連携強化にも今後は力を入れて行こうと考えています。(髙田研究室)

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「美味しい!」と言われる献立作り・調理を目指して

 水野研究室では、女性に不足しがちな鉄と食物繊維を十分に摂ることができる献立を考え、調理・提供をしました。鉄を多く含むレバーや魚介類、食物繊維の豊富な野菜や寒天を取り入れ、自分達で試作をしながら、飽きの来ない献立を立てました。

 喫食者後のアンケートでは「品数が多く満足感があった」「レバーを使ったハンバーグやカレーがおいしかった」という意見を聞くことができました。レバーは鉄が多く含まれていますが、独特の風味があって、苦手な人もいます。調理の際は下処理を丁寧に、味付けもカレー風味にするなど工夫した結果、喫食者に「もう一度食べたい」と満足してもらえました。

 食べる人に合わせて栄養素を十分に摂れる献立を立てることの難しさや提供した人に満足してもらうための丁寧な調理・食べやすい味付けにする大切さを学ぶことができました。(水野研究室)

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「男の料理教室」 男子厨房に・・料理作りは楽しいよ!

 片桐(幸)研究室では、地元の三輪南公民館講座と大学の市民公開講座の共同事業として「男の料理教室」を開催しています。参加される方は、70歳以上の方がほとんどですが、皆さんとても元気で、毎年学生との調理実習を楽しみに参加される方もいらっしゃいます。ここで学んだ調理の腕前をおうちでも披露され、家族からも喜ばれているとか。

 高齢化社会において、料理をしたことがない男性が一人暮らしや単身生活をしなければならないことが起こると、まず困るのが毎日の食事だといわれています。また、近年では、低栄養、サルコペニア、フレイルなどの高齢者の問題が話題となっています。今年は、「筋肉は裏切らない!~筋肉作って介護予防~」をテーマに笠井研究室の学生と一緒に行いました。

 男性も自らの健康に気を配り、食への関心を持ち、仲間とのおしゃべり、新しいことへの挑戦が気持ちを明るくし、元気に暮らしていくことの源になります。 (片桐(幸)研究室)

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