ゼミ研究・活動
管理栄養士へのステップ ~4年生 伊佐研究室 卒業研究~
伊佐研究室では、栄養生理を基本に、栄養素の代謝や栄養素自体の特性を調べる研究をしています。本年度は、昨年度からの継続で動物を使用したミネラル代謝測定と、発酵食品中のビタミン含量の変化を調べる実験を行っています。
動物を使用したミネラル代謝測定では、タンパク質の種類を変えた飼料を作成して、動物に摂食させ、排泄されるミネラルの量を比較します。ミネラルはカルシウムに注目しています。
発酵食品中のビタミン含量の変化を調べる実験では、発酵食品として漬物をターゲットにしています。野菜はそのまま食べるよりも漬物にすると、微生物の働きによってビタミンの含量が増加します。そのビタミンの増加が野菜の種類や漬物の種類などによってどのように変わるのか、比較しています。今年度は昨年度から新たに野菜の種類を増やしています。どのような結果になるのか、楽しみです。 (伊佐研究室)
管理栄養士へのステップ ~4年生 大場研究室 卒業研究~
小麦・卵・乳を含まないオープンキャンパスランチ提供 2023 ~卒業研究~
本年度も「小麦・卵・乳アレルギーがある児童も皆と同じ給食が食べられる機会を増やすことができないか?」という視点から、小麦・卵・乳を含まないレシピを検討し、オープンキャンパスでランチ提供を行いました。
4月23日は、春野菜を使った米粉パンランチを提供しました。昨年度の研究結果より、粉重量に対して20%コーンスターチを添加した米粉パンを提供しました。また、春らしく、白とピンク色2層の米粉パンを作成しました。お弁当を見栄え良く仕上げることができました。また、米粉パンの硬さは生地の発酵具合に左右されると気づいたため、8月に向けて発酵度の違いによる物性測定、官能評価を行うこととしました。
6月11日は、嫌われものの野菜たちをピックアップして、嫌われる要因を軽減したレシピを検討しました。人参は、細かく切り「にんじんご飯」にすることで匂いを軽減しました。また、なすは、塩をまぶしてしばらく置き、水分をふき取りえぐみを少なくし、油で揚げ、旨味と強いツナと砂糖醤油で揚げびたしにしました。「嫌いだったが、美味しく食べられた」という声があり、好評でした。
7月17日は、生おからをオーブンで乾燥させたおからパン粉をつかった「鰺のカレーおからパン粉焼き」と卵を使わない「千草焼き風」を提供しました。おからパン粉は、普通のパン粉より含油率が高いことから、スチコンを使った焼きメニューとしました。また、千草焼き風は豆腐の種類や水切り具合を工夫し、卵の食感に近くなるよう仕上げました。「卵が入っていないと知り驚いた」という意見もありました。
8月6日は、4月から検討し、学内の官能評価で好まれた発酵度の米粉パンを提供しました。しかし、当日は気温が高いこともあり、予想より早く発酵したためか上手く焼けなかったパンもありました。発酵具合を上手くコントロールできる方法をさらに検討していきたいと考えます。
毎回、少量の試作と大量調理では違いがあり、思うように仕上がらないことが多々あります。毎度お弁当が無事提供できるまでハラハラ・ドキドキしながら調理しています。学生が臨機応変に対応する力や改善案を立て実行できる力を身に着けて社会へ飛び立って欲しいと考えます。弁当提供を行う中でP(計画)D(実行)C(評価)A(改善)サイクルを回しながら、学生は大きく成長しています。(大場研究室)
管理栄養士へのステップ ~4年生 笠井研究室 卒業研究~
笠井研究室では、岐阜県美濃市をフィールドとして、食を通じた地域活性化に取り組んでいます。地域には様々な食材があります。地域の食材を知り、その食材に合った料理・加工品への応用を検討しています。
今年度は、美濃市の特産品である仙寿菜(アマランサス)を活用したレシピ考案に取り組んでいます。仙寿菜の葉は、鮮やかな赤紫色が特徴ですが、加熱に弱いという特性があるため、調理工程で退色してしまいます。どのように調理したら鮮やか色を活かすことができるか日々模索しています。仙寿菜の調理特性を知り、レシピ考案から商品開発へと繋げていけるよう取り組んでいます。
また、昨年度に引き続き健康に関する情報とそれに沿ったメニューを考案し、レシピとしてまとめ定期的に送付し、地域の方々の食意識向上を目指しています。今年度は野菜たっぷりのレシピを考案しています。地域の方々と一緒に食を通じて地域を元気に!食と健康を究めます。(笠井研究室)
管理栄養士へのステップ ~4年生 野村研究室 卒業研究~
野村研究室では、野菜の栄養機能向上を目指した研究に取り組んでいます。その中で、野菜のつるむらさきを紹介します。
つるむらさきは、特徴的な食物繊維を含むため、茹でるとねばねばした食感がでます。また、つるむらさきは薬用食物としても取り上げられることもあり、ビタミンCやカルシウムが豊富に含まれている他に、抗酸化、抗菌性、糖尿病予防にも効果があると言われています。
卒業研究では、つるむらさきを調理したときに、こうした機能性栄養成分がどのように変化するのかをテーマに取り上げて、研究を進めています。(野村研究室)
実際につるむらさきを育てて、実験をしています。
管理栄養士へのステップ ~4年生 板屋研究室 卒業研究~
板屋研究室では、地域住民の健康と食生活の改善について研究をしています。
野菜摂取量の増加や減塩について、長年、国や自治体等ではさまざまな取り組みが続けられていますが、目標に至っていないのが現状です。健康栄養を学ぶ本学学生でさえも、食生活改善が必要な者が多いことが、昨年度の研究でも明らかになっており、個人の行動変容は重要な課題です。
今年度の研究は、特に健康に関心の低い人が多いといわれる若年層や働き盛り世代に響く、効果的な普及方法をテーマに、
①デジタルツールを使った普及方法
②中食(持ち帰り弁当など)で野菜摂取量増加や減塩が期待できる方法
について探っています。
今後、研究結果をもとに、住民の食生活改善をめざし、地域への普及方法とその効果を研究していきたいと考えています。 (板屋研究室)