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ゼミ研究・活動

栄養教諭の長期インターンシップと子どもへの料理教室

土屋研究室の卒業研究での2つの活動を紹介します。

◎栄養教諭の長期インターンシップ

 土屋研究室には栄養教諭を目指している人が多くいます。栄養教諭を目指している人は、小学校に長期のインターンシップに行き、実際に働いている栄養教諭の先生のもとでより実践的な勉強をすることができます。土屋研究室の4年生が小学校でインターンシップをさせていただきました。

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~インターンシップに参加させていただいた学生の感想~

長期インターンに行ったことで、栄養教諭の動きや帳票類など細かい仕事を知ることができました。座学だけではわからなかったこと、体験することで学んだことがたくさんあり、とても良い経験ができました。

◎子どもたちへの料理教室

 関市で行われている子ども食堂に来ている子どもたちを対象に、「子どもが家で料理できる」ことを目標にして料理教室をしています。今年は新型コロナウイルスの影響により、対面した料理教室が行えないため、レシピや材料を配布し自宅ですぐ作ってもらえるようにしました。子どもたちの今の調理技術を考慮し、さらにできる事が増えるように新しい調理技術を加え、レシピを考えています。一緒に食育チラシも配布しています。

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岐阜県産の野菜やハムなどをつかったレシピを考え、試作しています。子どもたちが主体となって料理できることや、料理を"楽しい"と感じてもらえることを大切にしています。

教員からひと言

・長期インターン:栄養教諭採用試験に合格するためには、実際の場で起こる様々な出来事に対しての対応がいかに出来るかが大きな要素となってきます。それを学ぶために長期インターンを行い、大学では学ぶことが出来ない事柄を学んできます。

・子どもたちへの料理の支援と研究:地元食材を使った料理を作ってもらい、その後、子どもたちの意識調査、行動調査を行って研究としています。

(土屋研究室)

マスクの微生物汚染の研究に取り組む

 皆さんは、新型コロナウイルス対策としてマスクをしていると思います。マスクはどのようにするのが正しいのでしょうか。また、マスクはどの程度微生物に汚染されるのでしょうか。今年の卒業研究のテーマのひとつ「マスクの微生物汚染に関する研究」を紹介します。

 この研究は、マスクに付着している細菌の検査を実施し、新型コロナウイルスによる汚染の可能性を推察することを目的としています。

 新品のマスクをつけ数時間普通に生活します。その上で、マスクがどの程度細菌によって汚染されるかを検査します。もちろん、新品のマスクに細菌はいません。

 マスクの表(外気に接する方)と裏(皮膚に接する方)の汚染の違いを調べるために、少し息苦しいですが2枚を装着して別々に検査します。

 私たちの皮膚にはブドウ球菌が生息しています。従って、裏からは皮膚に生息する菌がたくさん検出されます。しかし、皮膚に接していない表からも裏の1/15ぐらいの菌が検出されてきます。マスクを手で触ることが原因だと考えられます。

 ところで、手はいろいろなところに触れます。触れたところに新型コロナウイルスがいれば手が汚染されます。その手でマスクを触るとマスクが新型コロナウイルスで汚染されることになります。

 正しくマスクを使用しないと、かえって危険なこともあることが予想されます。今、マスクの表と裏を毎日検査中です。 (臼井研究室(微生物学))

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(臼井研究室)

"無塩"米粉100%パンにチャレンジ⁉

 大場研究室では、「小麦、卵、乳アレルギーがある児童でも皆と同じ給食が食べられる機会を増やせないか?」というねらいで「小麦、卵、乳を使わない給食レシピ」を本学オープンキャンパスでの弁当提供を通して検討しています。

 昨年の先輩は、試行錯誤の末、大量調理での米粉100%パンレシピを完成させ、お弁当の主食として米粉100%パンを提供しました。好評でしたが、米粉独特の表面が硬くなりやすい点やもちもち感の軽減も課題であり改良がまだまだ必要です。そこで、私たちは食感の改良に加え、「米粉パンに塩の添加は必要か?」について検討してみたいと考えています。

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 栄養教諭の先生から「ごはんが主食の献立より、パンを主食とする献立では"パン自体の塩分が高く"学校給食摂取基準値内の食塩量にするのに苦労している」と聞きました。

 小麦粉を使ったパンの場合、捏ねの操作によってできるグルテンの網目構造がパンの膨らみには欠かせません。そのとき、塩がグルテン形成を促すので塩が必要です。

 しかし、米粉100%パンの膨らみにはグルテンは関係しないため、必ずしも「塩」を添加しなくてもよいのでは?という発想です。白飯が他のおかずの引き立て役であるように"無塩米粉100%パン"がもしできれば、他のおかずの引き立て役&アレルギー児童も食べられる&給食献立の減塩につながるのでは?!一石三鳥ねらいます!(大場研究室)

飲み込みがうまくできない人が安全においしく食べるためのお手伝い

 伊藤研究室では、嚥下困難者に対する餅菓子の提案を行いました。高齢になると嚥下機能が低下し、健常者と同じ食事を楽しく食べることは難しくなります。その中でもお餅は、高齢者が好む食品ですが、粘着性と弾力性があるため口の中に貼りつきやすく飲み込みにくいため事故が多発しています。そこで、高齢者が安全においしく食べることができるお餅を作りたいと考えました。まず始めに私たちが普段食べている硬さのもち菓子を作り、そこから試作を重ねていきました。試作では、ゲル化剤やとろみ調整食品を使い粉の分量や水の量、加熱時間を調節し理想とする硬さになるように改良していきました。完成したものを実際に嚥下機能が低下した方に試食していただきました。その結果、飲み込みやすさ、見た目、味ともに良い評価をいただくことができました。

 今後の課題として、今回は4人分など少人数で試作を行いましたが、施設などでも使えるように大量調理への展開を考えていきたいと思います。(伊藤研究室)

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食品の安全を守る

 健康栄養学科では栄養学はもとより食品に関わるさまざまなことを学びます。

 その中で、臼井研究室では食品の安全に関する研究を行っています。 今年の卒業研究のひとつを紹介します。「ジェットタオル」の研究です。

 手洗い後にジェットタオルで手を乾かすと、時々顔に水滴がかかります。そこで、ジェットタオルを使うとき、①水滴はどれほど飛ぶのか、②手に付着していた細菌が水滴と一緒に飛ばないのか などについて4年生の学生たちが研究しました。

 大学構内にあるジェットタオルを使用し実験をしました。小さな、そして簡単な構造のジェットタオルです。実験は、ジェットタオルの中に手を入れて稼働させながら、同時に色絵具を噴霧しその飛散範囲を調べました。その結果、ジェットタオル周辺の上下左右およそ1mに絵の具が飛び散りました。また、顔や服にも絵の具が付着しました。実はこの実験、かなり大掛かりで準備が大変でした。壁に模造紙を張り、その上で不織布製のつなぎの服、フェイスマスクを装着して実験をしました。

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 次に、どのような細菌が飛散しているのかを推定するため、ジェットタオル自体に付着している細菌の検査をしました。その結果、黄色ブドウ球菌がジェットタオルの機械から検出されました。黄色ブドウ球菌は人の手指に生息し、食中毒を起こす菌です。手に生息していた黄色ブドウ球菌が飛び散って、ジェットタオルを汚染したと推定されます。前述の実験と考え合わせると、少なくとも周辺およそ1mに黄色ブドウ球菌が飛び散っている可能性があるということになります。

 これらの実験結果をもとに、厨房内ではジェットタオルを使用しない方がよいと結論しました。もちろん、ジェットタオルの構造によって実験結果は変わる可能性があります。

 研究というと「難しい」と思いがちですが、自分が関心を持つことをどうしたら明らかにできるかを考える、とても楽しい作業なのです。(臼井研究室)