ゼミ研究・活動
管理栄養士へのステップ ~卒業研究 和田研究室~
生涯をより健康に過ごすために・・・どのような食生活にすると良いのか?
今年度、和田研究室では、フレイル予防を目的とした献立とクックチルを活用して集団給食に取り入れられる献立の開発を行っています。
【フレイル予防を目的とした献立開発】
フレイル予防のポイントにたんぱく質の摂取と減塩があります。季節や地域の特色を生かした食材を活用した献立を考えようと、ゼミ生の出身地である長野県・静岡県・沖縄県・富山県・岐阜県の地域食材や調理方法を取り入れながら、手軽にできる献立を開発しています。電子レンジやホットプレートなどを使用することで、「作ってみよう」という気持ちを大切にしたいと考えています。
【クックチルを活用した献立開発-集団給食に取り入れられる献立-】
クックチルとは、通常通り加熱調理した料理を、30分以内に冷却を開始し、90分以内に中心温度3℃以下に急速冷却をして、0~3℃で衛生的に保存しておき、食事を提供するタイミングで再加熱する調理法です。真空パック機を活用して、温度時間管理を行うことにより、冷蔵保存ができ、加熱後に汚染された空気や手指などが直接食材に触れる機会も少ないため、二次汚染防止、素材の酸化や乾燥を防ぐことが出来ます。しかし、料理方法が限られることや再加熱をして食べるため食材を選定する必要があることが分かりました。
栄養バランスを考え美味しい献立を提案したいと思い、試作しています。
和田研究室では、「閃いたら先ず作ってみよう」そして、「より栄養バランスよい献立、より美味しい献立」を目指して試作しています。生涯を通して健康に過ごすための食生活に、管理栄養士として関わっていきたいと思っています。 ~和田研究室一同~
管理栄養士へのステップ ~卒業研究 伊藤研究室~
伊藤研究室では嚥下機能が低下した高齢者の方に安全に楽しくおいしい食事を作りたいと考えています。
そこで、岐阜県は喫茶店文化が盛んであることから、嚥下機能が低下した高齢者の方でも食べることができる喫茶店風メニューをテーマとして研究しています。
今回、嚥下しやすい食品である食パンをメニューに取り入れ、水分が少なくパサパサしている食パンを味・見た目そのままで食べられるようゲル化剤を用い、工夫しました。
今後は硬さを嚥下レベルに合ったものに調整し、見た目もより近いものに出来るよう研究を続けていきたいと考えています。(伊藤研究室)
管理栄養士へのステップ ~卒業研究 臼井研究室~
今年の臼井研究室は、4つのグループに分かれて卒業研究に取り組んでいます。2つのグループは、マスクの研究を行っています。新型コロナウイルス感染症の流行で人前ではマスクをするのが常識となっています。マスクの材質には、不織布やウレタンなどがあります。ウレタンマスクは、不織布マスクに比べウイルスの遮断性がおちるのではないかといわれています。そこで、細菌(ウイルスより扱いやすい)を使って、不織布マスクとウレタンマスクの細菌の通過試験を行っています。実験の条件を設定するのが難しく、現在、試行錯誤中です。人の頭部を模した発泡スチロール製の人形(呼吸のマネができるようにしてある)が大活躍です。
もう一つのグループは、食品中の嫌気性菌(クロストリジウム属菌)の耐熱性を調べています。クロストリジウム属菌は芽胞を形成し、芽胞状態となると100℃の温度にも耐えると言われています。どのくらいの温度にどの程度の時間耐えることができるのか実験中です。カレーライスなどの食中毒の原因にもなると言われているので、カレーライスを作って実験も行っています。
最後のグループは、油の酸化とカルボニル価の関係を調べています。植物油(不飽和脂肪酸をもつ)は、紫外線などがあたると酸化が起こります。酸化によって「過酸化物」が生成し、さらにその「過酸化物」が分解し「カルボニル化合物」という物質が生成されます。紫外線照射下で「過酸化物」を生成させ、その分解物である「カルボニル化合物」がどのぐらいのスピードで生成してくるのかを調べています。
夏休み返上で、実験と国家試験の勉強に取り組む予定です。頑張れ! (臼井研究室)
管理栄養士へのステップ ~卒業研究 大場研究室~
小麦・卵・乳を含まないオープンキャンパスランチ提供 2021 ~卒業研究~
「小麦・卵・乳アレルギーがある児童も皆と同じ給食が食べられる機会を増やすことができないか?」という視点から、小麦・卵・乳を含まないレシピを検討し、オープンキャンパスでランチ提供を行いました。
4月25日は、大学で取れた筍をつかったチンジャオロースと米粉パンのランチを提供しました。米粉パンは毎年継続して改良しながら提供しています。まだまだ手間がかかることやパン表面の硬さが課題にあげられました。
6月13日は、ヴィーガン食を提供したいという学生の希望があり、小麦、卵、乳を使わないだけでなく、肉、魚など動物性のものをすべて使用しないランチを提供しました。高野豆腐で作った唐揚げを加えた酢豚風をメイン料理としました。
7月18日は、給食で提供の多い磯辺揚げを提供しました。過去には米粉に長芋を加え、時間がたっても硬くなりにくくしていましたが、喫食者に長芋アレルギーの方が数名みえたため、本年度は長芋の代わりにおからパウダーを加える工夫をしました。
8月9日は、4月に提供した米粉パンの工程の簡素化を目指すとともに、スチームコンベクションオーブンでの焼き条件を検討して表面が硬くなり過ぎない工夫をました。
コロナ禍で楽しみながら食べる機会が減少していますが、やはり美味しい食事が食べられることは「幸せ」を感じられる時間です。4年生の学生は、テーマに沿って嗜好錯誤してレシピを検討し、喫食者に「美味しい」と評価をいただけたとき、とても達成感や充実感が得られているように感じます。(大場研究室)
管理栄養士へのステップ ~卒業研究 フレイル予防~
昨年度の和田研究室の卒業研究の取り組みを紹介します!
令和2年度産学官連携事業として、コープぎふ・岐阜市役所健康部健康増進課・岐阜女子大学が連携し、フレイル予防を意識した献立を地域のみなさんに伝えようと活動しました。
家庭に買い置きしてある缶詰を活用した献立を紹介し、さらにその献立からアレンジをした献立を紹介することにより、食品ロスを防いだり、調理時間の短縮をしたりすることもできるように提案しました。リーフレットの構成では、地域の皆様に興味関心を持って頂けるように、1人分の分量とし使用食材もご家庭にある物やスーパーマーケットで購入できる食材にしました。また、リーフレットのデザインでは、言葉の表し方や色合い、文字のデザインについても、学ぶことが出来ました。(和田研究室)