ゼミ研究・活動
小麦・卵・乳を含まないオープンキャンパスランチ提供 2020 ~卒業研究~
大場研究室では、本年度も「小麦・卵・乳アレルギーがある児童も皆と同じ給食が食べられる機会を増やすことができないか?」という視点から、小麦・卵・乳を含まないレシピを検討し、オープンキャンパスでランチ提供を行いました。
7月26日は、小麦粉を含まない米粉パンを提供しました。昨年も提供しましたが、もちもち感が強い、表面がかたいという感想が多かったことから、食感の改良を目指しました。米粉パンに加えるコーンスターチ量を増やしてもちもち感を軽減しました。さらに焼く際に蓋を使い、湿度を上げることで表面をやわらかく仕上げることができました。
8月9日は、水溶き米粉でとろみをつけたカレーを提供しました。昨年に引き続き、味に深みを出すための調味料を検討したところ、普通のカレーと変わらず美味しいという意見が増え、好評でした。
8月23日は、生おからを乾燥させて作ったパン粉を使った揚げないチキンカツを提供しました。昨年は魚を使った揚げない鯵の香草パン粉焼きを提供しましたが、カリカリしすぎてかたいという意見もありました。本年度は焼くときの温度、湿度を調整し、中はジューシー、外はカリッとした仕上がりとなりました。
今後もさらに給食現場での実用性があるレシピを検討していきたいと思っています。(大場研究室)
オープンキャンパスのランチは岐阜女子大学健康栄養学科のInstagram(@gwu_kenkoeiyo)にもアップしています。ぜひInstagramもご覧ください。
参加者の皆様の健康をサポート! ~卒業研究~
笠井研究室は、今年度も美濃市保健センターの協力を得て、美濃市健康年齢向上モニター事業「令和2年からだ改善プロジェクト」での参加者の皆様の健康をサポートします。今年度は、新型コロナウイルスの状況下で可能な食生活改善のアドバイスを実施しています。昨年度の傾向、アンケート調査や血液検査の結果からリーフレットを作成しています。配布用リーフレットには、ポイントとレシピを掲載することで、少しでも興味を持っていただけるよう工夫しています。レシピは、栄養面だけではなく、味、見た目や手間も考え、何度も試作を繰り返しています。
リーフレットだけでは説明しきれない部分があるため、今後は、動画作成に挑戦したいと考えています。(笠井研究室)
生涯を健康に過ごすために・・・食生活を見直そう! ~卒業研究~
前年度に続き和田研究室では、フレイル予防を目的とした献立開発を行っています。
「家庭での食生活を見直してほしい。」「手軽に調理できる献立には、どのような内容が適しているのか」と考え、基本の料理からひと手間加えることにより、味を変化させたり、手軽に食べられるおやつにしたりとアレンジによって、食品ロスを意識した献立を考えています。また、家庭に常備されている食材(缶詰・麺類・レトルト食品など)や家庭菜園等で収穫する野菜を活用することで、手軽に調理できる献立を考えています。
【鯖缶を使用したドライカレーとそのアレンジ】
基本の献立を「鯖缶を使用したドライカレー」とし、食べきれなかった「鯖缶を使用したドライカレー」を春巻きの皮で包んだり、パンに挟んでホットサンドにしたり試作をし、レシピ提案を考えています。
生涯を通して、「食べる」ことは基本的生活習慣となりますから、日々の食生活の積み重ねが大切であると感じています。管理栄養士として健康教育に関わっていきたいと思います。(和田研究室4年生)
※フレイル・・・加齢に伴う様々な変化によって心身が弱くなった状態 (日本老年医学会雑誌)
高齢者もおいしく食べられる工夫 ~卒業研究~
高齢になると飲み込む力が弱くなります。そのため、管理栄養士は、高齢の方でも飲み込みやすく、栄養も取れ、おいしい食事を考えています。
伊藤研究室では、口腔機能が低下した高齢者が安全で美味しい食事を食べられる工夫について研究しています。
今回はホウレン草について研究したことを紹介します。
ホウレン草は繊維が多く、通常の状態では口の中に残り、葉の薄さが噛みきれない原因になります。そこで、今回はホウレン草をゲル化剤で固めることにしました。
調理の工夫としてホウレン草を茹でる時にゲル化剤を使用します。今回使用したゲル化剤には酵素の力で繊維を軟化する働きがあります。ゲル化剤を加えたもの(①)と加えなかったもの(②)を比較すると完成したゲルの繊維の残り方や断面の滑らかさが明らかに異なりました。
今後は、このゲル化したホウレン草を使用して、キッシュの具材として活用していく為の研究に取り組んでいきます。(伊藤研究室)