ゼミ研究・活動
管理栄養士へのステップ ~4年生 卒業研究 土屋研究室~
土屋研究室では、子どもたちへの「学習支援」と「食育教室」をしています。
対象は、小学生で、月2回の活動です。時々、屋外で勉強会を行います。「食育カルタ」を作ったり、既製品のカルタを使って「食育」をします。
また、子どもたちが「家庭で自分で出来る料理」のレシピと食材の配布をして子どもたちの意識の変容、行動の変容について調べています。評価は、家庭での料理の写真とアンケートで行います。(土屋研究室)
管理栄養士へのステップ ~4年生 卒業研究 水野研究室~
水野研究室はオープンキャンパスでランチ提供を行っています。
ゼミ生の出身地、長野県、静岡県、岐阜県、沖縄県の学生がそれぞれの出身県をテーマにしたランチを作っています。
高校生にアッと驚いて貰えるようなお弁当にするために学生たちはメニューを決めては試作を繰り返し進めています。
5月22日 (長野県ランチ) メニュー ・筍ご飯 ・鶏肉の山賊焼き風 ・だし巻き卵 ・茄子の揚げ浸し ・ミニトマト ・小豆のシフォンケーキ&紅茶
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6月26日 (静岡県ランチ) メニュー ・桜えびご飯 ・鮭のたらこマヨ焼き ・筍とピーマンの彩りキッシュ ・茄子のピリ辛炒め ・南瓜のそぼろ煮のせ ・ミニトマト ・小豆のシフォンケーキ |
レジスタントスターチは、大腸まで消化されずに届き便秘改善が期待できる効能があります。水野研究室はその効能に注目しました。小豆にはレジスタントスターチが豊富に含まれているため、小豆を使用したシフォンケーキを考案しました。小豆の粉から作るためグルテンフリーのシフォンケーキができます。
最初はパサパサしたシフォンケーキでしたが、試作を繰り返しフワフワのシフォンケーキに近づいてきました。まだまだ未完成ですが、学生たちは試行錯誤しながら頑張っています。
シフォンケーキもオープンキャンパスのランチと共に提供しています。(水野研究室)
「小麦・卵・乳&お肉を使わないヴィーガン ハンバーグ・唐揚げランチ」を提供しました
6月12日のオープンキャンパスで「小麦・卵・乳&お肉を使わないヴィーガン ハンバーグ・唐揚げランチ」を提供しました。
昨年の学生の声で始めたヴィーガンランチ第2弾。学生の掲げた本年度の目標は、昨年の高野豆腐の唐揚げをつかった酢豚風について、「唐揚げのパサつきを改善すること」が一つ、さらに「皆が好きなハンバーグを肉だけでなく、小麦、卵、乳を使わず作ること」でした。
唐揚げについて、昨年は調味液に浸すだけで揚げる前に加熱はしませんでしたが、本年度は一度高野豆腐を調味液で汁気が無くなるまで煮て、コーンスターチを軽くつけて揚げるとことで中はしっとり仕上がりました。揚げたてでは、カリっとしていましたが、提供時には表面がカリっとしているものとそうでないものがありました。さらに改善が必要です。
ハンバーグは初の試みで、試作始めから大苦戦でした。ただお肉を健康的な大豆ミートに変えるだけなら、卵もパン粉も牛乳も使い、まとまりやすいタネを作ることができます。しかし、今回は小麦、卵、乳を使わないことも条件に加わりますので、まず、何を加えたらまとまるかが課題でした。卵の代わりに長芋など加えるも考えられましたが、過去にランチを召し上がってくださった中には、長芋アレルギーの方がみられたので、今回は長芋も使いませんでした。また、大豆ミートの豆臭さの解消には大変時間がかかりました。19回の試作を重ね「美味しい」と言えるハンバーグができた時の学生の声は「涙が出そう」でした。
【メニュー】発芽玄米入り枝豆ご飯(岐阜県産ハツシモ使用)・大豆ミートのハンバーグ・高野豆腐の唐揚げ・切り干し大根ナポリタン・小松菜のえごま和え・山形さくらんぼ・メロン
実際、試食していただいたところ、多くの方に「美味しかった」といっていただきましたが、食感の点で改善の余地ありというご意見を頂戴しました。学生の挑戦は続きます!(大場研究室)
「小麦・卵・乳を含まない春野菜&米粉パンランチ」を提供しました
4月24日のオープンキャンパスで「小麦・卵・乳を含まない春野菜&米粉パンランチ」を提供しました。
メニューは、ほんのりピンクに色付けした小麦グルテンを含まない米粉パンに甘辛い照り焼きチキンとピーマンソテーをサンドして召し上がっていただく「照り焼きチキンサンド」、コンソメ味の「新じゃがフライ」、「春キャベツと桜えびのサラダ」、季節の果物として「いちご&デコポン」でした。
数年間かけて米粉パンを大量調理で作成することを繰り返し、表面が硬すぎず、もちもちし過ぎない食感の小麦を全く含まない米粉パンが安定して焼けるようになってきましたので、今回は少し春らしくするためにクチナシ色素でピンクに色付けしてみました。
また、「照り焼きチキンサンド」にあえて給食では嫌われものの「ピーマン」のソテーを添えました。卒業後、栄養教諭になりたいと考えている学生が「栄養教諭」として働くときに活かせるような研究をしたいということで、皆が苦手な野菜を美味しく食べていただけるような工夫をすることをテーマとし、苦味のあるピーマンに塩だけでなく、少量の砂糖を加えることで苦味の抑制を狙いました。試食後に回答いただいたアンケートでは「嫌いで食べられなかった」というご意見も数件ありましたが、「苦味が気にならず美味しく食べられた」という意見が喫食者の9割以上でした。「好きではない野菜だったけどおいしく食べられた」という意見に学生はとても喜んでいました。
8月のオープンキャンパスでは、ゴーヤの苦味に挑む予定です。お楽しみに!(大場研究室)
令和3年度 卒業研究発表会を行いました
10月17日(日)、岐阜女子大学食物栄養学会の主催で令和3年度卒業研究発表会を行いました(健康栄養学科は、管理栄養士国家試験があるので卒論発表を早めています)。発表会では、実践活動やレシピの開発、実験的研究など37題の発表がありました。
卒業研究は、海図がない海を航海するようなものです。明らかにしたいテーマがあると、それをどんな方法で研究するのかを考えることから始めなければなりません。
卒業研究は、いろいろ試行錯誤しながら、一歩一歩前に進める必要があります。困難もありますが、やり終えた時は大きな達成感を味わうことができます。
今年の研究で、減塩に関する発表が複数ありました。
- 「減塩の現状と課題(行政・食品メーカー・消費者)」(片桐(孝)研)
- 「献立と実食の食塩量の相違」(藤田研)
- 「五感が与える味への影響・食塩を減らしたパン」(笠井研)
の3つの研究です。
わが国は、食塩摂取量が多く、そのことで胃がんや高血圧患者が多いなどの重要な健康上の問題をかかえています。
①の研究は減塩の現状を明らかにし、②の研究は、落し蓋の利用など調理上の小さな工夫で減塩ができる可能性を、③の研究は、食塩を抑えながら、おいしさを感じられるパン作りについての発表でした。
さまざまな工夫で減塩ができそうです。さらなる研究の進展を期待しています。
研究を行った学生の皆さんが、今後も減塩に関心を持ち続け、近い将来減塩社会が実現できるといいですね。