健康栄養学科

健康・医療

管理栄養士へのステップ ~3年生 栄養生理学実験~

 栄養生理学実験では、基礎栄養学で学んだ知識をもとに、体内で行われる代謝について実験を通して理解を深めます。摂取した栄養素を利用して体内で行われる代謝には、糖質、脂質、タンパク質の代謝などが存在します。これらの代謝には、酵素が必要となります。酵素が栄養素の代謝にどのように関わるか、といったことも授業内で学びます。

 実験では、ラットの肝臓から酵素を抽出し、それを利用してどのように栄養素が分解されるのか、といったことを調べます。今回は、絶食状態になると糖質の代謝に関わる酵素の活性がどのように変わるのか、また関連する代謝産物はどのように変わるのか、といったことを調べました。

 基礎栄養学で学んだことを実際、実験で確認するとより理解を深めることができます。

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管理栄養士+健康運動実践指導者を目指して

 健康栄養学科では、運動の指導もできる管理栄養士を目指して健康運動実践指導者の授業が開講されています。健康運動実践指導者は、健康な人たちへストレッチなどの運動を指導するために役立つ資格です。本格的な授業は2年生からスタートし、水泳水中運動やレジスタンス運動、エアロビックスダンスなどの授業を受けていきます。病院の管理栄養士やスポーツ系の管理栄養士などを目指している学生が健康運動実践指導者の取得を目指しています。実際に体を動かして、どのように指導したらよいかを学んでいます。

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管理栄養士へのステップ ~2年生 食品衛生学実習~

 食品衛生学実習では、食品の安全に関する検査や実験を行っています。

 例えば、牛乳の鮮度測定です。牛乳中で微生物が増殖すると、その過程で乳酸が産生されます。牛乳中にどれだけの乳酸が存在するかを測定することで、牛乳の鮮度がわかります。法律では酸の量が0.18%以下とされています。

 皆さんはビュレットというガラス器具を知っていますか? 中和滴定で使う細長いガラス器具です。牛乳の鮮度測定にはこのビュレットを使います。フラスコに牛乳(わずかに酸性物質が含まれる)をとり、ビュレットを用いて上からアルカリを滴下し中和します。中和の終点はフェノールフタレイン試薬で知ることができます。中和のためにどれだけアルカリが必要だったかで、酸の量を計算することができます。この滴定は3回実施し、その平均をとって計算に用います。実習では、この3回の滴定の誤差をビュレット一滴にすることを目標にしています。

 ところで、ビュレット一滴の量を知っていますか。ビュレットによって多少の誤差はありますが大体0.05mlです。実は、一滴の中に京(兆の上の単位)の単位で分子が存在します。中和滴定は分子と分子の反応ですので、0.05ml以内の誤差で十分に滴定ができるのです。

 初めてだと、3つの滴定を0.05mlの誤差に押さえるのはとても困難です。でも、ビュレット操作の基本を守り、ビュレットから一滴、半滴を落とせる技術を身に着けるとできるようになります。「できた!」という瞬間はとてもうれしいものです。

 「目標を持ち、操作の基本を守り、技術に習熟する。」と必ずできます。というわけで、食品衛生学実習では目標を持つことの大切さも併せて学びます。

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地元沖縄県の病院管理栄養士に内定しました!

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管理栄養士へのステップ ~4年生 伊佐研究室 卒業研究~

 伊佐研究室では、栄養生理を基本に、栄養素の代謝や栄養素自体の特性を調べる研究をしています。本年度は、昨年度からの継続で動物を使用したミネラル代謝測定と、発酵食品中のビタミン含量の変化を調べる実験を行っています。

 動物を使用したミネラル代謝測定では、タンパク質の種類を変えた飼料を作成して、動物に摂食させ、排泄されるミネラルの量を比較します。ミネラルはカルシウムに注目しています。

 発酵食品中のビタミン含量の変化を調べる実験では、発酵食品として漬物をターゲットにしています。野菜はそのまま食べるよりも漬物にすると、微生物の働きによってビタミンの含量が増加します。そのビタミンの増加が野菜の種類や漬物の種類などによってどのように変わるのか、比較しています。今年度は昨年度から新たに野菜の種類を増やしています。どのような結果になるのか、楽しみです。 (伊佐研究室)

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