健康栄養学科

健康・医療

管理栄養士へのステップ 現地調査 in 沖縄(大宜味村)

 沖縄県出身の管理栄養士を目指す私たちは、過去沖縄県で長寿地域1位であった「大宜味村」に現地調査に行ってきました。

 塩屋ミニデイサービスに来られた皆様や、喜如嘉区長様、喜如嘉共同売店を利用された皆様からたくさんのお話を伺いました。

 大宜味村では、みんなで食材を持ち寄り、調理して食事を囲みながら楽しく過ごすサンクェー(参食)が開催されていたそうです。近年ではサンクェーをされている地域はごくわずかになっているようです。

 ミニデイサービスに参加された方々は、家の庭で家庭菜園をされている方が多く、「レタスやカズラが多いね。」、「ヨモギは庭に生えている物を摘んで、ボロボロジューシー(雑炊)に入れるよ。」などと教えてくださいました。翌日に「よもぎもち」を教えてくださるとのことで、お宅までお邪魔しました。優しい甘味で月桃の香りがする美味しい「よもぎもち」の作り方を教わりました。

 

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 沖縄県でも北部に位置する大宜味村は、沖縄県の西側の飲料水を供給する大切な地域であることや、大宜味村でも喜如嘉地区は糸芭蕉の産地であり、芭蕉布の唯一の生産地になっていることを教えていただきました。喜如嘉区長様の幼少期には、行事の際にサンクェーをやったと良く大人から聞いたそうです。また川の魚やエビを獲ったことや、イグサの産地だったことなども伺いました。

 

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また、集落ごとにある共同売店には、地域の方々が生活に困らないように食品から日用品までそろえられており、売店内は休憩できるようにいわゆるイートインスペースまでありました。地域の方との交流もでき、1日に何度も利用される方もおみえでした。そこで、サンクェーを最近されたという方にもお会いできました。

盛りだくさんのことを伺ったので、これからまとめて論文にします。

本調査にご協力いただきました大宜味村観光協会事務局長様、大宜味村社会福祉協議会事務局長様、喜如嘉共同売店様をはじめ、インタビューにお答えいただきました塩屋ミニデイサービスご利用の皆様、喜如嘉区長様、喜如嘉共同売店にお越しの皆様に、厚くお礼申し上げます。(藤田研究室)

 

 

管理栄養士へのステップ ~3年生公衆栄養活動論実習~

 住民の健康づくりはどの自治体でも重要な課題となっています。

 公衆栄養活動論実習は、おもに行政栄養士が行う公衆栄養活動を通じて、住民の健康づくりと持続可能で健康なまちをめざすことを学ぶ実習です。

 公衆衛生学、公衆栄養学を学んだ後、この実習で次のような力を身につけていきます。

 地域を診断する力・・・自分の住むまちについて、その特徴やめざす姿を探ります。また医療の状況や健診結果、栄養摂取状況など、まちが抱える健康・食生活の課題を深く探り、特に栄養・食生活で予防・改善が期待できる健康課題を発見します。

 事業を計画する力・・・まちの栄養課題を解決するために事業を計画し、目標設定、評価方法など、自分で考えて企画をします。

 食事調査と食生活支援をする力・・・自身の食事調査から、食事調査の実施方法や分析方法を学び、住民の行動変容を促す効果的な食生活アドバイスについて考えます。

 プレゼンテーションの力・・・健康教育に必要な資料の作成と発表をとおして、住民に伝える力を身につけます。

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管理栄養士へのステップ ~2年生臨床栄養学実習Ⅱ~

 2年生の臨床栄養学実習Ⅱの授業の様子を紹介します。

 臨床栄養学実習Ⅱでは、病態や対象者に合わせた食事療法の提案、献立の提案・調理ができることを目標に学修していきます。

 病院の食事には、一般食と治療食があり、治療食は病態別のガイドラインに沿った調整の必要な栄養素別に献立を作成し、提供しています。そこで、糖尿病や肥満症などエネルギーの調整が必要な疾患にはエネルギーコントロール食を、腎臓病や肝不全などたんぱく質の調整が必要な疾患にはたんぱく質コントロール食を、高血圧や心臓病など食塩の調整が必要な疾患には食塩調整食を一般食から献立を展開させて作成します。また、作成した献立を実際に調理し、試食をすることで、味・見た目・業務量などを評価、検討していきます。

 制限のある食事をいかに患者さんに喜んで食べていただく食事にするかを学修していきます。

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管理栄養士へのステップ ~3年生病態栄養管理実習~

 病態栄養管理実習の授業では、病院で提供する食事の中でも制限が特殊な透析食、急性膵炎食、肝硬変食への展開食を作成し、調理実習を行います。

 透析食では、カリウム制限(2000mg/日以下)、水分制限(1000ml/日)、食塩制限(6g以下)を行います。急性膵炎食では、脂質を10g以下とし、消化吸収の良い食事の中でもその他の栄養素は不足なく摂取できるように作成します。また、肝硬変食では、体の中のアミノ酸バランスの崩れを修正するため、栄養剤を併用し、食事からのたんぱく質を制限します。

 病院食は治療食であり、制限がある中でもいかに患者さんに食べてもらえる食事を提供できるかが重要です。また、大量調理の中で、マンパワーを考慮した献立作成も必要となります。実際に作成した献立を調理し、試食をしながら、栄養価、見た目、味などを評価します。

 また、胃切除術後の患者さんへの栄養指導媒体の作成を行います。患者さんの栄養評価をSOAPを用いて適切に行い、より良い栄養食事指導が実践できるように学修していきます。

 

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管理栄養士へのステップ ~3年生 栄養生理学実験~

 栄養生理学実験では、基礎栄養学で学んだ知識をもとに、体内で行われる代謝について実験を通して理解を深めます。摂取した栄養素を利用して体内で行われる代謝には、糖質、脂質、タンパク質の代謝などが存在します。これらの代謝には、酵素が必要となります。酵素が栄養素の代謝にどのように関わるか、といったことも授業内で学びます。

 実験では、ラットの肝臓から酵素を抽出し、それを利用してどのように栄養素が分解されるのか、といったことを調べます。今回は、絶食状態になると糖質の代謝に関わる酵素の活性がどのように変わるのか、また関連する代謝産物はどのように変わるのか、といったことを調べました。

 基礎栄養学で学んだことを実際、実験で確認するとより理解を深めることができます。

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