デジタルアーカイブ専攻

授業レポート

卒論デジタルアーカイブに取り組んでいます!

岐阜女子大学では、卒業論文・修士論文のデジタルアーカイブ化を行っています。
4年間の学びの集大成となる卒業論文を、
 〇どんな内容なのか簡単に分かるように保存する
 〇いつでも見たいときに卒論を読めるようにする
ことで、4年生が研究テーマを決めるときや、卒論を書くときに参考にしています。
また2年や3年の専門科目での、レポート課題のヒントも見つかったりします。

卒論デジタルアーカイブがスタートして8年が経過し、現在1274件の卒論・修論が保管されています。

毎年、卒論をデジタルアーカイブ化する作業は、実践授業「特別プロジェクト」で行います。
デジタルアーカイブ専攻に入学したばかりの1年生が取り組んでいます!
まだ授業で「デジタルアーカイブとは?」を学び始めたところですが、実際に動いている卒論デジタルアーカイブに触れることで、デジタルアーカイブの意義を体感することができます。

授業の様子

2025年3月に卒業された先輩たちの卒論データを確認して、PDF化をします。
このときメタデータと卒論データが間違っていないかのチェックもしていきます。

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メタデータの提出がない卒論があったりとトラブルがありますが、学生・教員と確認しながら間違いがないように丁寧にデジタル化をしていきました。
卒論・修論はたくさんありますが、そこは1年生の人数の多さでカバーしました!

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授業を終えて、1年生のみなさんに感想を聞きました!

卒論デジタルアーカイブを実際に見た感想を教えてください。
  • 見やすく論文をまとめられていて、、すごいと思いました。
  • すぐに調べたいことがでてくるので、探しやすくて良いと思いました。
  • いろんな視点からの卒論があって、面白かったです。自分が書いた卒論がデジタルアーカイブとして残ることを知って感動を覚えました。
  • 卒論を見ることができて、とても便利だなと思いました。自分が卒論を書くときに参考にしたり発展していきたいとおもいました。眺めているだけでも楽しかったです。
デジタルアーカイブ化を体験した感想を教えてください。
  • 慣れない作業で大変でしたが、デジタル化に慣れたらサクサクできました。
  • 初めての体験で面白いと思いました。デジタルアーカイブ化を手伝えてよかったです。
  • シンプルな作業でしたが、正確にやらないといけないので気が抜けなかったです。
  • 卒論がデータとして残ることが不思議な気持ちがして、新鮮な体験でした。
  • 指導教員でまとめ方が違うことも知れて、楽しかったです。

卒論デジタルアーカイブ化は5月末には完了する予定です。
在学生のみなさん、もうしばらくお待ち下さい!

卒業研究の紹介3:白黒写真をカラー化する効果についての研究

デジタルアーカイブ専攻では、様々なデジタルアーカイブコンテンツを利活用する研究を行っています。

昔の写真が白黒なのは知っていますね?
今ではAIを使うことで、カラー写真にすることができます。
カラー写真にしたことで、どんな効果があるのかを調べた研究を紹介します。

研究目的:
岐阜女子大学には、アメリカ国立公文書館で収集された日本関連資料があります。
これらは、太平洋戦争から戦後復興するわが国の様子がわかる貴重な写真資料ですが、いずれも白黒写真です。
そこで白黒写真をAIを使ってカラー化しました。
そして2つの写真の印象の違いを明らかにしました。

研究方法:
白黒写真をカラー化がするWebサービスを使って、カラー写真にしました。
岐阜女子大学の学生に白黒写真とカラー写真を見てもらい、アンケート調査を行いました。
調査結果を分析し、カラー化の効果を明らかにしました。

研究結果と考察:
白黒写真には、
・国会議事堂裏の防空壕
・荷車を引いて歩く女性の姿
・学校で子どもが学習する様子
のなど、教科書では見られない写真が数多くありました。
貴重な資料をカラー化することで、戦後の復興に期待する国民の様子がを感じられました。
アンケート調査から、受ける印象が違うことが明らかになりました。
今後は、印象の違いについて、具体的に研究をすすめていきます。

こちらは、白黒写真とカラー化した写真の例です。
2つの写真の印象は・・・いかがでしょうか?

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東京でリアカーにワラ束をのせて運ぶ日本人女性(19461010日)
National Archives (W.D.C_130_281912)

図書館活動演習で「棚移動」を実習しました!

日本の多くの図書館では日本十進分類法(NDC)という、図書の内容によって分類を行い、本棚に順序良く並べています。
図書館で受け入れた順に図書を並べているなら、本棚を増やしていくだけでよいのですが、 古くなった図書を本棚から抜いたり、新しく図書を受け入れたりしていくうちに、順序がちぐはぐになってしまいます。
そのため、図書の置き場所(排架場所と言います)を調整していく作業が必要になります。

今回の図書館活動演習では、2~3年生が協力して排架作業を行いました。

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本棚から図書をブックカートに移動させます。
次に入れる図書の高さに合わせて、棚の位置を決めなければなりません。

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一時置いておいたブックカートから棚に図書を並べていきます。

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きれいに並べることができました。

排架作業をした学生からは、
・本の大きさに合わせて棚を調整するのが難しかったですが、3人で役割分担しつつ協力してできたので、スムーズにできました。
・上の隙間を指一本分あける、そのたなで一番大きい本に合わせて棚の高さを決めることなどに気を付けることを知りました。
・利用者の人が探しやすい並べ方にするために、図書館では地道に環境を整備する必要があることを学びました。
と、排架のコツや作業の大切さを学ぶことができたようです。

図書館活動演習:大学図書館の選書を行いました。

図書館司書の実践力をつける授業として、「図書館活動演習」を設けています。
司書科目で学んだことを大学図書館で実践することで、学びを振り返り、理解を深め、司書となったときに直ぐに活躍できるようになります。

選書はこれまで実店舗で行ってきましたが、コロナ禍によりしばらく中止していました。
今年度はコロナ禍の状況を考慮し、インターネットで調べられる出版情報や書評を確認して、一人ひとりで選書を行いました。

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一人当たりの選書数や分野を決めることなく、自由に選書しましたので、さまざまなジャンルのものを複数冊選びました。

学生は、選書した本のタイトル、ISBN(国際標準図書記号)、分類記号、価格、選書理由をフォームで登録しました。

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後日、全員の選んだ本を1冊1枚のカードにして並べて、みんなで投票を行いました。

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一人5枚のシールを持ち、これだと思う本のカードに貼っていきます。
一人で同じ本にたくさんのシールを貼ることはできません。

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大学の図書館に入れる本としてふさわしいものはどんな本なのか、
一人で本を選んでいるときには悩んでいる学生もいましたが、
他の学生が選んだ本とその理由を見ることで、これは大学図書館にこそあるべき本だと思うものを見つけたり、
自分の好みの本ではなく、利用者にとって必要なものを図書館の本として選書するのだということを実体験として学びました。

学生が選書し、投票を行った本のうち、大学図書館の蔵書構築方針に合致するもので、
購入が可能なものについては図書館の蔵書として受け入れていきます!

学生の声

選書をしてみて・・・
  • 選書する際には、どのように活用するかを考えながら選びました。
  • 資格や就職に役立つような本を選書しました。
  • 選書をする際には、個性を伸ばすうえで役立つような本かどうかに気を付けました。
  • 自分が読みたいという気持ちだけではなく、図書館の利用者が本当に必要とするものなのかという観点からも考えなくてはいけなかったため、難しかったのですが、楽しく選書することができました。
  • 実際に選書してみて、たくさんある本の中から図書館に所蔵されていなくて必要そうな本を探すのは大変だと思いました。
みんなの選書を見て・・・
  • 将来のことを考える歳でもあるので、みんなの選書は、人とのかかわり方や資格に関するものが多いと思いました。
  • 自分が選んだ本は個人的に面白いと思ったものを選んでいたのですが、大学図書館に置くには少し違うのかなと思いました。
  • みんなの選んだ本を見て、新しい発見や面白い本を見つけることができてよかったです。
  • 他の人の選書を見て、いろいろな考え方があるのだなと思いました。
  • さまざまな種類の本が選書されていて面白かったです。
  • 選んだ本は違っていても、みんなの選書理由を読んで、図書館をよりよくするためにどれほど考え、想っているかが伝わってきました。
  • 選ばれた本は9類の小説が多かったのですが、多くの票を得たのは9類以外の本だったということに驚きました。
  • また選書をする機会があれば、人の人生にプラスになるような本を選んでみたいです。
学んだこと・・・
  • 個人が必要とする本と図書館が必要とする本には違いがあるということを知りました。
  • 今回、選書をしてみて、ただ自分が読みたい本だから選ぶのではなく、その本がなぜ必要なのか、大学図書館の所蔵と比較してみて、図書館の選書方針と適合しているかなど、よく考えて選ぶことが大切だと学びました。

今となっては欠かせない「ネットワーク」を学びます

1年前期の授業に「ネットワークと情報表現」があります。
ネットワークという目に見えない世界について学ぶのは大変です。
でも家でWiFiを使ったり、大学で学内LANを使ったりと、毎日使っているのに何も知らないのは良くないです。
ネットワークのしくみを知っていれば、何かが起こったときに原因を予測して対処することができます。

大学ではネットワークを活用する機会が多いことから、入学したばかりの1年前期に「ネットワークと情報表現」の授業を設けています。


ネットワークを勉強する上で、必ず出てくるのが「プロトコル(約束事)」です。DHCPやNTP、HTTP、SMTPなど、いろんなプロトコルが存在して、ネットワークが成り立っていることを知ります。

そんなネットワークの世界ですが、唯一、目で見ることができるのがLANケーブルです。
LANケーブルを手作りするのは大変です。
でも実際に作って見ることで「これがプロトコルか・・・」と、プロトコルの大切さを体感できます。

コロナ禍により、しばらくLANケーブル作成を中止していました。
でも感染が落ち着き、対処法も定まってきたことから、今年度からLANケーブル作成を再開しました。

3年前とは違ってWiFi(無線LAN)が普及し、家庭でLANケーブルを使うことも少なくなったようです。
実用性はないのですが、20cmほどのLANケーブルを配って自作に挑戦!

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初めて触るLANケーブル「線が8本もあるよ、何これ!」

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ケーブルの長さが20cmだからこそ、起こりました。
外皮を外して8本の芯線がバラバラに。。。(先生は目から鱗でした)
もうLANケーブルではなくなってしまいましたので、新しいケーブルで再挑戦です。

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コネクタに入れて、工具で圧着して

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チェッカーで8箇所のランプが付いたら完成!

細いケーブルを順番通り、しかも長さを揃えて入れるのは大変で、あちらこちらから悲鳴が上がりました。

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今年度の完成 一番乗り! 早かったです。器用ですね!

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2番手、3番手と・・・、
苦戦しながらも無事にLANケーブルを作ることができました。

LANケーブルを自作した感想を聞きました。

  • 細かい作業が難しく大変でしたが楽しかったです。
  • LANケーブルを最初に作った人はどうやって仕組みとか開発したのかと凄いと感じました。
  • インターネットをたくさん使っているけどネットを使うのには多くの技術が必要なのがわかりました。
  • 今度からLANケーブルを使う際には作った人に感謝して使おうと思いました。
  • 最後には完成させることができて嬉しかったです。

ネットワークの大切さを体感することができた授業でした。