漢字・平仮名・片仮名・ローマ字、句読点をはじめとする記号など日本語に用いられる文字の種類は実に多様です。私たちは,それらを使い分けて,日本語を表記していますが,ひとつひとつの言葉について,なぜそのように書くのか,必ずそのように書かなければならないのか,説明できる人は少ないでしょう。例えば,「さくら」と書くのに,「さくら・サクラ・桜・sakura」といった表記が見られますが,私たちはどのように書き分けているのでしょうか。使い方の基準はあるのでしょうか。そして,それは正しい書き方と言えるのでしょうか。これらの問いについて,日本語における文字種の特質を明らかにしながら,日本語表記の歴史をたどります。 |