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国語しか得意じゃないのに、人気アニメ企業に受かった!
就活サポート大作戦 副学長 木俣正剛ゼミの紹介②

岐阜女子大は、就活を手厚くサポートすることで有名です。元文春編集者の木俣正剛ゼミでは、特に就活指導に力を注いでいます。木俣ゼミのスローガンは「偏差値では負けても、就活では東大にでも勝てる」です。2020年卒業生の奮戦記をご紹介します。

②教授命令「とにかくアニメを見まくりなさい」

さて、時事問題は解決できそうだし、アニメの解説ができるようになれば、アニメ制作会社に必要なプレゼンテーション能力は獲得できます。
しかし、松田さんには致命的な弱点がありました。それも二つ。
第一に、普通アニメ業界を志す人は、イラストとか絵を描いていて、結構上手。上手だからこそ、プロの絵の上手下手が判別できます。しかし、松田さんは、絵が書けない。いや、PCに触れたことがなかった彼女には、タブレット上で、電子ペンを使って絵を書くことなど、できるはずもなかったのです。そして第二の弱点。それは、多くのアニメ業界入社希望者はすでに、アニメの脚本だとか、小説みたいなものを書いていて、その経験から、プロの作品の面白さや評価できるポイントがわかるのですが、松田さんは、一本も書いたことがありません。

ここまで読んで、みなさんは驚くでしょう。「要するにただのファンが、アニメ業界に入りたいといってるだけ、じゃない!」 そうなんです。松田さんはただのファンなのです。
ただし、コンテンツ業界にいた私は、それでも彼女は勝負はできると判断しました。
とにかく一番大事な資質「好きなことに夢中になったら、まったく飽きない」ことがハンパじゃないからです。私の指示は「今から絵を書いても、無理。今から脚本を書いても無理。とにかくアニメを見て、見て見まくってください。そして、監督が誰で、絵が誰で、ということまできちんと見てください」でした。

今から考えると、私の指示は松田さんが喜ぶことはあっても、いやがることはないことばかりです。ただ、そのために、他の授業の課題を提出し忘れたり、授業に寝坊したり、大学の先生方からは「困った存在」になっているようでした。しかし、彼女には、なぜか味方がいます。授業を抜け出して、ランチを食べに行き、先生が気づいて他の学生に尋ねても「松田さんおなかの具合が悪くなってみたいです」。そのうち、食事が終わった松田さんは何食わぬ顔で帰ってきます。寝坊して、出欠点呼に間にあわなくても、他の学生が「松田は、今起きて教室に向っています」と答えてくれます。最終的には先生方も松田のことは「許し」てくれていたようです。
読んだだけで、キャラクターは理解しにくいかもしれません。
要するに、「愛されキャラ」なのです。
大学の先生とはいえ、私はコンテンツ系の出身者。この「愛されキャラ」は、この業界で生きて行くには、とても大事なことなんです。
私の文春時代の同僚にも「愛されキャラ」がいました。同期K君です。最初の作文テストに合格し、次の試験会場で隣でした。作文の問題は、「この一年間の文藝春秋の出版物から面白かったものを選んで感想を述べよ」でしたが、K君いわく「俺、間違って中央公論社のものを書いたんだよね。なんで受かったんだろう!!」次の最終面接は遅刻してきました。遅刻してきて、着席するなり、隣の私につぶやきました。「いやあ、留置所にいたんで、間に合わないかと思った」......。え、え。警察沙汰を起こしたの? 彼は東大のボート部で東京の戸田という場所にボート部の寮があります。
駅から遠くて、酔っぱらってしまった彼は、ついつい放置自転車に乗り、寮にむかったところ、警察官に呼び止められました。学生に警察が優しいのが当時です。素直に酔っぱらって「放置自転車に乗ってしまいました。すみません」といえば許してもらえたろうに、「無断で借りただけだ」という阿呆な居直りをしたため、一晩留置所にいれられる羽目に。
当時の入社試験は合格通知が電報できました。携帯電話もメールもない時代です。固定電話より確実に連絡がとれる手段が電報でした。K君の寮に電報はきたものの、彼は帰寮していません。寮が実家に電話をしたところ、昨日、警察から実家に、ホンモノの東大生かどうか問い合わせが来ていました。あわてた両親が早朝、警察署を訪ね、平謝りに謝って、なんとか滑り込みで最終面接に間に合ったというわけです。しかし、普通は隠す不祥事を、彼は全然隠しません。これが愛されキャラなんでしょう。そんな話を知られていても、k君は文春と朝日新聞社に合格していました。

ま、こんな風に「愛されキャラ」はこの業界では大事な資質です。
➀好きなことだけ夢中になれる
②愛されキャラ。
こればかりはどんなに努力しても、努力で得ることができない資質を持っている以上、彼女には進みたい道を進んでほしい。私が絶対サポートすると決めました。

そのころから、彼女は「先生の秘書役をします」と殊勝なことをいってきました。当時の私は岐阜には月曜だけ赴任していたので、火曜から日曜までは研究室に不在です。松田さんいわく、「先生は人気者だから、いろんな学生が先生の研究室を訪ねるけど、いないといって悄気ています。ですから、私ができる限り研究室にいて、学生さんに月曜の何限なら研究室にいると伝えますから」とありがたい申し出です。そこで研究室のカギを預けました。。盗まれるようなカネメのものはないし、成績などはカギのかかる引き出しにいれてあるので、まあ、安心です。
実際、就活の相談や授業の質問にきた学生が、その後スムーズに私と面談できるようになったのは秘書・松田さんのおかげです。 

しかし、実は、松田さんには魂胆がありました。先生が不在の研究室でアニメを見続けていたのです。彼女のアパートは、WIFIが弱いらしく、その点研究室なら朝から晩まで使用しても無料です。研究室には冷蔵庫もあれば、電子レンジも置いてあります。掃除嫌いで汚部屋となっている彼女にとって、研究室は天国だったようです。

文責:木俣

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