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第14回「わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2022」入選作品と審査評の発表

本日11月6日に、第14回「わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2022」の本学にて表彰式を行いました。

遠方からも多くの方に出席いただきました。ありがとうございました。

表彰式後には、作品の中だけでは表現しきれなかった内容や制作上の苦労話もお聞きすることが出来ました。

入賞者・入選作品と審査評をご紹介いたします。(各賞内順不同)

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A.技術・デザイン部門

建築士会賞 娘の目線  

奥山 桜美(三重県立伊勢工業高等学校) 

この作品の秀逸な点は、リフォームの3つの方針が明確であることと、部分断面図やアイソメを使った分かりやすいプレゼンです。方針①のリサイクル率50%以上でコストダウンを図ることは計画に現実味を与え、方針②の2階のだんらんの場に畳を利用することは、現代の住宅における新たな畳の活用法を提示しています。また方針③がこの作品の最も重要なところでしょうが、多様な床高の設定は、家族の視高の違いを解消しながら豊かなだんらんを育む大きな可能性を示してくれています。子供の成長とともにどのように使い方を変化させるか、階高を変えない中で床高をどう変えるのかについて提案があるとさらに良かった。 A1奥山桜美様_RGB.jpg

優秀賞角のない暮らし

奥村 空(岐阜県立大垣工業高等学校)

この作品は、家族の集まるリビングを中心に置き、スキップフロアー方式を採用しながら回遊性を持たせて各部屋を再配置した素直な提案です。リフォーム前の名残を各所に残し、新しい暮らしに自然体で入っていけそうな案で、技量の高さを感じます。提案の内容は、丁寧で『解りやすい図』と『説明文』で、見る人を納得させる素直で質の高い作品です。題名の『角のない暮らし』は、人の集まる場所として、円陣・輪をイメージしています。円・輪は『アール』に繋がり、図面のいたるところで円・アールを表現しています。この『こだわり』は設計者として大事な事で、これからも『こだわり』の設計に取り組んで下さい。

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優秀賞生きる力を育む水

佐藤 優多(静岡県立浜松工業高等学校)

この作品は住宅に「水盤」を大胆に取り入れ、水と共に暮らす演出を上手く考えた楽しい作品になっています。水は生きるために欠かせないものと同時に、人に癒しを与えるものでもあります。家の中に居ながら、天候によって変化する水面や水音、天井や壁に映る水光などを五感で感じることでリラックス効果も期待できるでしょう。リビングの水盤も外部と一体化しており、広がりが感じられそうです。現実的に考えると構造やメンテナンスなど検討しなければならない点も多々あると思いますが、災害時の貯水となることも出来そうですね。

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奨励賞地域のリビング

大波 晴(静岡県立浜松工業高等学校)

人と関わることを自粛したコロナ禍を経て、ますます深刻化した地域との繋がりの希薄化を課題として取り上げることは少なくなく、「地域のリビング」という発想もよく理解できます。しかし、「地域のリビング」と言っても何か目的がないと人々が集まるのは難しい。そこでアトリエとギャラリーという用途を住宅に付与し、人々が交流できる場の提供に挑戦しています。ギャラリー部分は階段状になっており、アートを鑑賞する人を飽きさせないよう、限られた空間の中で工夫を凝らしているが伝わりました。また、アトリエに置く作品は廃棄物活用していると設定したことも近年のSDGsの流れを汲んでおり評価できます。 A4大波晴様_RGB.jpg

奨励賞心が安らぐ空間

荻原 空大(滋賀県立彦根工業高等学校)

この作品は、非常に現実的なリフォーム案であることが評価されました。1階部分を大胆なワンルーム空間にすることで開放感を生み出す一方、部分的な間仕切りを設けた子供スペースは緩やかにLDKと繋がる空間に。また2階の読書スペースと夫婦寝室も開口部を吹き抜け部分に設けることにより、1階の気配を感じることができます。コロナ禍で生活リズムが変わり、気付かないうちにストレスを抱えているといわれる中、家族がほど良い距離を取りながら心が安らぐリフォーム案となっています。作品は丁寧に仕上げられていますが、図面・パースなどのプレゼンテーションの表現力を身につけられることを期待しています。 A5萩原空大様_RGB.jpg

奨励賞ストレスのない日々

鈴木 陽斗(静岡県立島田工業高等学校)

 

この作品は、最短距離で家事をスムーズに行う動線で間取りを考えるのではなく、調理動線と洗濯動線を分け、家族の誰もが家事をサポートできる間取りということが評価されました。コロナ禍を経て在宅で仕事をする機会も増えましたが、これからの時代、家族以外の人や家事代行サービスを利用する場合にも、ストレスが軽減できそうです。LDK空間では庭部分にダイニングルームを増築し、あえてK空間と離すことで配膳等の準備も家族で行い、食事以外の趣味室や第二のリビングとして利用するには有効な空間となっています。プレゼンテーションはまとまっていますが、目を引く工夫があるとさらに良かったと思います。

 

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奨励賞:KDLーKからひろがる家族の交流ー

湊 美空、片山 美麗、神代 進之介、藤元 麻琴(国立徳山工業高等専門学校)

この作品は、住宅設計の考え方に一石を投じる意欲的な作品です。現代の住宅設計の主流は、LDKの発想で進められます。作者はこの発想に疑問符をつけ、生きる上で大事な『食』に注目し、キッチンを家の中心に置き『リビングのような家族の集まりやすさを持つキッチン』を提案しています。オープンなキッチンにすることで、音・香り・気配を感じ取れる五感を大事にした家になります。2階に設けた『共用作業スペース』が、リモートで繋がる現代人に、フィットした第2の交流の場にもなり、更に『中庭・和室・縁側』の使い方には、共感・微笑ましさを感じました。全体のレイアウト・プレゼンも良質で、素晴らしいです。 A7湊美空様_RGB.jpg

奨励賞Window house

横山 紘花(群馬県立前橋工業高等学校)

この作品は、2階の床を削って吹き抜けにするのではなく、外部空間-中庭にしてしまうという大胆な発想が評価されました。コロナ禍では外とつながる空間が安心感を与えてくれるのでしょう。また建物にくい込むように外-中庭をつくることで室内空間が開放的になるだけでなく、利用方法も豊かになりますね。子供の独立など家族が減ったりして減築が可能になるタイミングでなら、積極的にやるべきかもと思わせてくれました。もう少しプレゼンテーションに迫力があるとさらに良かった。

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B.アイディア・デザイン部門

優秀賞本と暮らす

井原 花世(長野県立飯田OIDE長姫高等学校)

この作品を見ると、慌ただしい日々を過ごしている井原さん自身が、思う存分ゆっくりじっくり本を読みたいという強い願望が伝わってくる作品となっています。「ゆっくり・じっくり」リラックスしながら読むために、自然に囲まれたようなインテリア空間をコンセプトにしているのが大木をモチーフにした本棚、木の実のランプなど細かなエレメントやディテールからも伝わってきました。あえて畳コーナーを設けているところも、ゴロゴロしながら本を読みたいという思いが見てとれました。一点透視図法を用い、色鉛筆で着彩しているところも柔らかな風合いが表現されており、コンセプトに合っていたと思います。 B1井原花世様_RGB.jpg

優秀賞海で冒険しながら旅をする住まい

塚越 美怜(埼玉県立熊谷工業高等学校)

この作品の素晴らしさは、濃紺の用紙いっぱいに白インクで描かれた、ポスターのように目を引くプレゼンテーションです。見る人の心をぐっとつかむ描画力は本当に素晴らしい。コロナ禍であらゆる行動が制限され、抑圧されてきたエネルギーが画面全体に爆発しているかのようで気持ち良い。住宅という日常空間を、今は中々体験できない非日常的な活動空間にしていて、とても楽しそうです。是非これからも楽しい空間を提案し、創造できる建築設計者あるいはデザイナーになれるよう努力を積み重ねられることを期待しています。 B2塚越美玲様_RGB.jpg

優秀賞芸術品を楽しむ憩いのLDK

野津 三早希(岐阜県立岐阜工業高等学校)

芸術品をキーワードとして、LDKに人が集まり、豊かな時間を過ごすことを提案した作品です。壁一面に作品を展示する造作棚は、作品がバランス良く配置され、その作品の1つ1つが丁寧に描きこまれており、制作者のこだわりが伝わってきました。その他にも、ホームシアターや絵画窓、おうちCaféやブラックボードなどの描きこみも非常にわかりやすく表現されています。LDKで楽しむ、くつろぐ、そしてコミュニケーションを促す要素が満載で、Kの収納も含め本当に細かいところまでよく考えて、デザインされていることが高評価につながりました。 B3野津三早希様_RGB.jpg

優秀賞つながるアウトドアすぎる家

福山 和奈(兵庫県立尼崎工業高等学校)

大変切れ味の良い、素晴らしい作品です。平面計画も単純で好感が持てます。図面全体のレイアウト・説明文・パースは、全てにセンスの良さを感じますし、余分なものが一つもなく、プレゼン能力の高さを十分に感じます。特にイメージパースの出来栄えは、『素晴らしい』の一言です。このようなレベルの高い作品に纏め上げる能力を持つ人は、そう多くはいません。これからも精進を忘れずに、目の前の作品に取り組まれ、更なる高みを目指して欲しいと思い、エールを送ります。

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奨励賞みまもる目線ー家族の存在を感じる家ー

赤木 夢(宮崎県立日向高等学校)

この作品の背景には、コロナ禍で求められ続けてきた人と距離をとる日常で感じている孤独感や孤立感があるのでしょう。それならば家族とぐらいは必要な距離をとりながらもしっかりとつながっていたいという思いをカタチにすると、中庭を中心にすべての部屋が視線でつながり、お互いの存在感を感じることのできる住まいになるということだと感じました。床を削るのには勇気がいりますが、それによって目線が通い合う住まいを実現しています。専門的知識がない中で模型づくりにまでチャレンジされていることにも好感が持てました。

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奨励賞家族とのやすらぎ時間

貝原 磨明(静岡県立浜松工業高等学校)

この作品には、東日本大震災以降の若い世代で強まってきた家族とのつながりを大切にする風潮が色濃くあらわれているように感じます。一方でコロナ禍で求められ続けてきた人と距離をとる日常もあり、距離をとりながらもお互いに存在を感じることができるよう、キッチン-ダイニング-リビング-小上がり形式の和室(新設)を一つながりの大きな空間としながらも様々な居場所をつくることができています。工業高校で建築を学んでいる高校生らしい真摯に住空間の問題改善に取り組む姿勢ときれいな図面やアクソメで表現している点に好感を持ちました。これからも頑張ってください。 B6貝原磨明様_RGB.jpg

奨励賞オブジェと暮らす生活倉庫

酒井 乃亜(兵庫県立尼崎工業高等学校)

鉄骨造などの倉庫をコンバージョンして店舗になどにすることは少なくありません。この作品もごく一般的な鉄骨造の倉庫をアトリエ併設のシェアハウスする提案になっています。しかしこの作品の特徴は、リサイクルアートを作り始めた人が住むというの設定となっており、環境問題に配慮しているところです。様々なリサイクル品が並び、シェアハウスの個室までもがリサイクル段ボールでつくられているのも面白い発想です。「倉庫」という空間だからこそ、このリサイクル品やリサイクルアートがとても馴染んでいるようにも感じます。 B7酒井乃亜様_RGB.jpg

奨励賞古民家でつくる家族時間

西本 ほのか(長野県立飯田OIDE長姫高等学校)

「都会の一角にあるごく普通の古民家」を昔の形を残しつつ、現代ニーズにあわせ、自然とも家族とも向き合えるリフォームの提案です。先ず、古民家には付き物の囲炉裏の活用方法です。作者はこの人の集まるスペースを、箱庭に再生させ、照明はつけず、天窓からの光が当たるように計画しています。土間部分にはアイランド型のキッチンを設け、家族の交流の場に、納戸は畳敷きのマルチスペースとして、子育て・勉強・仕事に使います。全体を通してゆったりとした、のどかな空間を感じさせる良い作品です。

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奨励賞星と図書館

藤井 紅香(愛知県立杏和高等学校)

この作品は、空(星)とつながる天窓と空想の世界に浸る図書館を設けることで、コロナ禍の不安やストレスを少しでも家の中で癒そうと、考えられたのではないかと思いました。LDK空間の天井には星空をイメージした仕上げと天窓、その上にあるロフトの寝室にも大きな天窓と丸窓があり、星を眺めることはもちろんのこと、外部とつながっているという安心感をもたらす装置になっています。また、LDKには天井まである本棚、出窓付のコーナーにはソファを配置し、木製の落ち着いた内装はゆったりと想像の時間を楽しむことができそうです。イメージしたものが、よく表現されていると感じました。 B9藤井紅香様_RGB.jpg

学校賞:静岡県立浜松工業高等学校

受賞された皆さん、おめでとうございます! 20221107.jpg