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卒業研究の紹介6:メタバースの制作と観光利用についての研究

メタバースとは、3DCGで構築された仮想空間上に自身の分身であるアバターを通して他のユーザーとコミュニケーションを図ったり、現実世界を再現した空間で観光などの体験ができる空間のことです。
岐阜県下呂市の温泉旅館である水明館をモデルに下呂温泉の観光情報を発信するメタバースの制作と活用について研究しました。

研究目的:
従来WEBサイトで行われてきた観光情報の発信にメタバースを用いることによって何が変わるのかを明らかにすることを目的に研究しました。

研究方法:
水明館現地調査
館内の様子を、360度パノラマデータの静止画、iPadを用いた3Dスキャンデータ、デジタル1眼レフカメラを用いた静止画で記録しました。
360度パノラマデータがあると空間を見直すのにとても役立つことがわかりました。

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水明館メタバースの制作
旅館の入り口であるロビー空間を制作しました。
制作したメタバースはこちらです。

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結果と考察:
情報発信の手段として、WEB上とメタバース上で同じ情報を得るにもメタバースではアバターの移動をしてリンクへのアクセスといった手順を踏まないといけないため、メタバースは、迅速な情報収集という目的にはWEBと比べると劣るのではないかと感じました。
しかし、WEBサイトで行われてきた観光情報の発信に空間としてのメタバースを用いることによって、アバターを通した体験を得ることができる利点があると考えます。
水明館に訪れる人が下呂市に訪れ、外の空気に触れて水明館までの道のりを歩き、ロビーでチェックインを済ませ、館内を散策したり、下呂市の観光へ向かうような・・・
もっと色々な空間を作り込むことで、メタバースでは連続した体験をすることが可能になると感じました。
WEBサイトの情報と現実の間にメタバースはツールとして存在できるのではないかと考えます。
情報発信にメタバースを使用することはWEBサイトの代替ではなく、より身近に情報を知るための拡張した機能として利用していくことが重要ではないかと結論づけました。