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国語しか得意じゃないのに、人気アニメ企業に受かった!
就活サポート大作戦 副学長 木俣正剛ゼミの紹介①

岐阜女子大は、就活を手厚くサポートすることで有名です。元文春編集者の木俣正剛ゼミでは、特に就活指導に力を注いでいます。木俣ゼミのスローガンは「偏差値では負けても、就活では東大にでも勝てる」です。2020年卒業生の奮戦記をご紹介します。

➀アニメが大好き......「超個性的な学生との出会い」

私のゼミは2019年に始まり、その一期生が松田穂乃花さん(仮名)でした。松田さんは、「国語しか出来ないんです。得意な国語で大量得点してセンター試験一発合格を狙ったのですが、大失敗。でも、結果的にこの大学に来てよかったです。ゲームやアニメで共通の趣味のある友人がたくさんできました。大学に入る前は中高一貫の公立校で、誰からも無視されているような存在だったのに、今は楽しくてしょうがない」と木俣ゼミのテーマである本作りも「アニメをテーマにしたい」と主張していました。しかし、もう三年生、国語しか出来ないでは、教師や公務員は無理。就職だって大変です。本人はアニメ制作会社にどうしても入りたいといいます。まずは徹底的に彼女の性格と、人生の目標を聞く。それが就活の第一歩です。

話せば話すほど、個性的な子です。小学生時代からアニメやコミック・小説にハマると、ずっと集中し続けて、とうとう学校からは「アニメ・コミック禁止令」。自宅からテレビやPCもなくなりました。それでも彼女は抜け道を見つけます。「誰も気がつかないのが電子辞書の青空文庫(著作権の切れた小説などをボランティアが電子書籍化して無料で読めるようにしているソフト)でした。これなら、気づかれないので、夢野久作とか永井荷風、泉鏡花など友人たちが全然知らない小説を愛読していました」。この年齢とは思えない妙な小説趣味の理由はわかりました。 ただ、デジタル機器を触ったことがなかったので大学で騒動を巻き起こします。「大学でのPC授業で、マツダが触るとPCが壊れる伝説を作ってしまいました。私、わからなくなると、すぐに電源をシャットアウトしていたので、壊れて当たり前ですよね」。
 「アニメ好き」はハンパじゃないようで、朝から晩までみています。
私は出版社に40年勤めていました。ですから、コンテンツ系の企業には、好きなことなら徹夜しても全然平気、という人材が必要なことだけはわかっています。誤解しないでください、コンテンツ系は全部ブラック企業というわけではありません。忙しい時間帯とヒマな時間帯がハッキリしているので、忙しい時期は、8時間労働では成果が達成できないのです。ですから、九時から五時という勤務が好きな人は、どんなに優秀でも、コンテンツ系には向いていません。

 とりあえず資質として、アニメ企業にゆける資質があることはわかりました。彼女の人生の目標も、アニメに関わる仕事がしたい。そのためなら薄給でも、徹夜して働くのも平気だ、というのです。
教師としては、リスクも説明しましたが、希望はガンとして変わりません。ならば、この学生の夢を実現するため、サポートするしかありません。 
 しかし、松田さんが、人気業界であるアニメ業界に挑戦するには、「徹夜ができる」だけでは、とても無理です。
 ゼミとして、最初にやったのは時事問題に強くなる授業を組むことでした。とはいえ、「国語しか得意」科目がなくて、アニメとゲームにハマっている彼女に、時事問題の過去問題集を渡しても、勉強などするはずがありません。SNS世代は元々ニュースをみない上に、女子大はどうしても女子的興味の話題が中心で政治や経済といったテーマに関心が薄い傾向があります。そこで、始めたのが木俣先生との一日一問授業です。ゼミ生(松田さんだけでなく他のゼミ生も参加します)がその日、疑問に思ったニュースや出来事、あるいは好きな芸能人とか小説家への質問を一日一問必ず先生にメールする。先生は必ず、その日中に返事をするという授業です。    

 最初の質問は2019529日。松田さんからの質問はこんな感じでした。
「 今日は、中国がレアアースの主要供給国であるということを知りました。まそたん達の主食ですね。読んだ記事には、中国はレアアースのアメリカへの輸出規制を真剣に検討していると書かれていました」
 ちなみに、文中の「まそたん」とは、人気アニメ「ひそねとまそたん」の主人公で、自衛隊のF15戦闘機に擬態する謎の生物ドラゴンの名前です。

いきなり、アニメで質問ですか......。

先生の回答「中国に資源供給を頼るとアフリカのようになります。中国からオカネを貸してもらえるのはいいのですが、借金漬けになったあげく、港湾を占領されたりします。......日中関係が悪化して上海で暴動が起きたときも、日本へのレアアース禁輸をほのめかされたとこがありました。なので、以降日本は他の国(旧ソ連のトルコに近いあたりの国々など)と協定を結びました。また日本国内にも未開発のレアアース資源があるんですよ。南鳥島付近ですが......」と解説はつづきます。

 この日を最初に就活が成功するまで、このやりとりは続きました。
先生は質問に回答するだけでは、すみません。一方で、松田さんに、もうひとつの課題を与えました。「アニメにまったく興味がない木俣先生にも、面白さがわかるように、自分が見たアニメの良さを私に解説し、私がみたくなるようにしなさい」です。

 実際、ゼミの時間中、彼女は好きなアニメのことを熱く語ります。ただ、半分以上、私にはわかりません。だんだん、わかり始めたのが、この5月ころ。「ひそねとまそたん」。平仮名のタイトルですから、アニメに興味のない人は、どこで切れるかわからないでしょうが、「ひそね」という女性パイロットと「まそたん」という彼女が操縦する戦闘機だけど実は竜のよう姿に擬態する動物の物語なのです。(とうとう私もアニメもコミックもみてしまいました)。

文責:木俣


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