学校教育専修

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豊年エビ大量 発見!~先輩から受け継いだ農法で田植え~

4月30日に播種を行った苗も、ようやく11cmの大きさまで成長しました。順調に芽出しができ、すくすくと大きくなった苗に対し、日光や水を与えるタイミングを誤り、一部の苗を枯れさせてしまった思わぬ状況に涙しました。苗は私たちにとって、ただの植物ではなく、育てている子どものような存在です。

▼枯らしてしまった苗から学んだことをクラスに置き換え▼
苗:ミュージカルや部活で忙しくてもこまめな水やり、観察が必要
→クラス:他の仕事より何より子どもが一番優先、細かいところにも気を配って子どもを見る、守る

苗:資料に書いてあることだけではダメ、その年の気候に合わせる
→クラス:毎年同じ子どもではないから、同じ方針で学級経営できるわけではない、問題解決できるわけではない

そうしたことを再確認し、教員となる日を夢見ながら愛情をもってこまめに世話をしました。ようやく今日5月25日に田植えを迎えることができ、水田に植えられるまでに成長した苗には、「育ってくれてありがとう」と胸が熱くなります。これからは水の管理を丁寧に行い、苗の成長を見守ります。

また、透明で朱色の尾をもち、仰向けで泳ぐホウネンエビをたくさん見つけました。別名タキンギョ(田金魚)やナエキンギョ(苗金魚)とも呼ばれ、ホウネンエビ(豊年蝦)が大量発生する年は、豊作になると伝承されています。
お腹に卵を保持したホウネンエビも多数見られ、他にも、5mm程のオタマジャクシ、2cm程のゲンゴロウ、水グモ、アメンボ、イトトンボ、お掃除屋のガムシの幼虫など様々な生き物の姿がありました。

これらも生き物の姿が見られるのも、周囲の機械を使用している水田と比較して見ても、私たちの水田のみです。これまで機械を入れずに手作業で稲作を進めた、先輩方の苦労が実を結んだ気がして、とても嬉しく感じました。
そして、私たちが高校生だった時に、生物の授業で唾液腺を調べた染色体の実験で懐かしい、ユスリカ幼虫も見られました。これらは、クモ類が捕食し成長の大きな助けになると言われています。稲作では、殺虫剤を散布して水稲害虫を防ぎますが、もともとこれら害虫はクモ類が捕食します。こうした食物連鎖を学び、生態系を整え、農薬を使わない方法もあります。私たちはこれからも、栄養あるお米作りに励んでいきたいと思います。

農業研究会幹部2年 伊澤知織(静岡県立韮山高等学校出身)

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〈手作業での代掻きを重ねた水田〉

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〈ホウネンエビ〉

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横縄植による田植え