長寿健康栄養センターについて
長寿健康栄養学センターは、長寿・健康に関する地域支援と地域の活性化を目指す拠点として、さまざまな活動をしています。「生活習慣病予防に向けた健康教室」では近隣市町と協働し、その地域に住む子どもから高齢の方を対象に、生活習慣病になる仕組みや普段の食事から予防できる実践しやすい工夫などを説明し、料理教室も実施しています。そのほか地域のこども園に通うこども達に、野菜に親しみを持ってもらうために、野菜を使用したレシピ考案と料理教室を開催しています。また、本学は沖縄サテライト校をもち、沖縄県出身者も多いため、「沖縄県の平均寿命の延伸に向けた取り組み」も行っています。近年の沖縄県の平均寿命が他県に比べて伸びていないのは、生活習慣病の増加が原因です。沖縄県出身者が郷里に帰り、自身を育ててくれた地域の課題を探求し、貢献するために、どのようなことができるかを模索しています。コロナ禍で沖縄県での現地調査があまりできませんでしたが、長寿の祖父母やその周りの方々から幼少期の食生活や現在の食生活との違い、継承されている食文化や長生きの秘訣などを聞き取り、どうしたら長寿県に戻せるかを研究しています。その経験を活かし、本学近隣の市町でも健康増進に向けた課題を探るための調査をしています。今後はさらに沖縄県の長寿地域で調査を実施し、現代版「ぬちぐすい(命の薬)」を発信するために研究を進めます。
こうした地域に根ざした取り組みは、学生の主体的活動をもとに実施しています。学内での学修だけでなく、地域の課題を発見し、実際に地域の方々とコミュニケーションを取りながら問題を解決するための方法を学生自らが考え、提案します。これらの活動は、将来管理栄養士として働くための実践力が養われ、大変有意義な活動になっています。