地域文化研究所

岩村町獅子舞 東濃地方 恵那市

連絡先岩村駅裏(西) 中根敏勝家TEL0573-43-2138
住所上映時間10月第1土曜日
岩村秋祭 町内路上

アクセス方法

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岩村町獅子舞会館 岩村町領家
明知鉄道岩村駅下車5分

解説

(1)由来
 『岩村町史』によれば、嘉永5年(1852)の「武並宮御祭規矩」に獅子舞に関する記載があり、現在の岩村の獅子舞につながるものとすれば、それ以前から演じられてきたことになる。岩村の獅子舞は、城下町の周辺の「入り」と呼ばれる農村地区の一色・領家・大通寺・山上の4集落で伝承しており、赤い雌獅子頭をかぶった振り袖姿の女装の男性が舞い、「悪魔祓い」「おかめひょっとこ」「獅子芝居」などを演じる。
 「入り」の集落が、神事奉納芸としての「悪魔祓い」や「おかめひょっとこ」に加えて、余興として「獅子芝居」を導入してくるのは、いつかは不詳であるが、発生地三河に近いので、江戸末期であったかもしれない。山岡町下手向の獅子芝居は、大正期に岩村の獅子舞上演者に習った、としている。
(2)芸の特色
 現在は、岩村町秋祭に、城下の町を道行しながら、町内5か所の路上で、葛の葉姫の子別れを上演しているが、伝承している芸題は、他に、八百屋お七、お染久松、いざり勝五郎などである。かっては、妹背山、関取千両幟、鏡山お初、忠臣蔵、傾城阿波の鳴戸なども伝承していた。
 「葛の葉姫の子別れ」は、和泉国篠田森に住む白狐が傷ついていたとき阿部保名に助けられ、保名の許婚者の許婚「葛の葉」に化けて一子童子丸を設け、親子3人で暮らしていたが、葛の葉自身がやってくるということで、白狐は、元の狐の姿に戻り子別れをしなければならなくなり、自分の体に残された人間の部分を使って別れの和歌を書き残そうという、歌舞伎のさわりの部分を切々ともの悲しく演じ、観客の涙をさそう。獅子は、終始無言で、浄瑠璃風の語りに合わせて女形の所作を演じている。この語りは、「ウタ」と呼ばれ、囃し方の一人が演じる。
(3)伝承活動
 稽古は、毎月第2・第4金曜日、10月第1土曜日の岩村秋祭の夜公演より1月前から毎日、岩村町領家の岩村町獅子舞会館に集まって行っている。現役指導者13名、現役継承者20名ということで、後継者育成体制は整っている。

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「おかめひょっとこの舞」 獅子舞会館