地域文化研究所

明智町歌舞伎 東濃地方 恵那市東濃地方

連絡先恵那市教育委員会
恵那市明智振興事務所
TEL恵那市教育委員会 0573-43-2112
恵那市明智振興事務所 0573-54-2111
住所上映時間

アクセス方法

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《 明智町かえでホール 》
瑞浪I.C.から車で約35分、新町交差点南へ約200m
明智鉄道明智下車、徒歩約10分

解説

(1)由緒・系譜・保存会の結成
 この地域は、地芝居が盛んな地域であり、近世後期から明治期にかけて、神社に併設した舞台が数多く造られ、遺されている。大正8年(1919)には、名古屋にあった芝居小屋を解体移築し、常磐座として明智町内に設置。以降、ここで芝居が演じられてきた。戦争の影響で一時中断を余儀なくされたが、歌舞伎愛好会がつくられ、年1回上演するなど地芝居を支えてきた。松本団升氏が組織した松扇会も、芝居の担い手を育てる母体となり、昭和45年には明智歌舞伎保存会として、常磐座で公演を行っている。同49年には、役者不足や経済的問題などから常磐座の維持が難しくなり、常磐座は解体となる。以降、8年間活動を中断していたが、文化センターの設置に伴い、同58年に第1回歌舞伎公演を開催。現在では、かえでホールに舞台をうつし、年1回の公演を行っている。
(2)特色・みどころ
 子ども歌舞伎が盛んであり、小学生から高校生まで参加している。小学生から、ずっと続けている子供たちもあり、その演技は堂に入ったものである。保存会会員を中心につくりあげる舞台は、会場との一体感が漂い、親しみがもてる。幕や大道具も数年前に新調し、芝居への意欲も新たにしている。師匠は松本団女氏、練習は約3ヶ月にわたり、主に文化センターを使用、本番間近にかえでホールでの練習に励む。開演は11時からであるが、熱心なファンがかけつけるため、8時から入場することができる。 
 見物には協力券が必要(当日券有、千円)。当日は、お弁当や五平餅を販売するほか、近くに大正村などがある。
(3)伝承者の言葉
 役者として舞台に立つと、強い緊張感が身を包むが、客席から掛けられる声援に、ぐっと力が入る。どの人も一生懸命に演じており、あたたかみのある芸をみてほしい。子ども歌舞伎に参加したことがきっかけで、芝居が好きになり、地元への愛着を強めている子もいる。伝統ある文化を継承していくことは大変であるが、若い人たちを育て、次の世代に伝えていきたい。

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「三人吉三巴白波吉三しぐれ浜町河岸」 明智町かえでホール