地域文化研究所

揖斐祭子ども歌舞伎 岐阜・西濃地方 岐阜・西濃地方揖斐郡

連絡先揖斐川町教育委員会TEL0585-23-0115
住所上映時間5月4・5日

アクセス方法

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養老線揖斐駅より徒歩10分 三輪神社

解説

(1)歴史・沿革
 街の中心にある三輪神社の祭礼で、境内に並んだ5輌のを舞台として上演される。資料によれば、享保5年(1720)の祭礼で「しやきり坊主」なる踊りが踊られ、その2年後には車付きの舞台らしきものが、更にその2年後には「屋たいのやま」が登場している。この頃から、祭礼と芸能を演ずるための山が融合していったと思われる。上演される芸能が子ども歌舞伎となったのは、明治20年(1887)からのようである。は「芸」と呼ばれ、高砂(上町)・住吉(中町)・鳳凰(下町)・龍宮(上新町)・市(下新町)の5輌で上演担当の町は年毎に順送りされ、その年担当の町内所属のが舞台となる。

(2)見所・特色
 祭礼当日の午前、「練り込み」と称し、担当町内関係者一同が役者のこども達を中心に笛・太鼓・三味線で囃子を奏しながら神社まで華やかに行進する。午後、神社で巫女舞・出御式・御輿吊りがあり、祭り気分は更に昂る。その後、境内に整列した芸5輌の中央に位置するで子ども歌舞伎の上演となる。儀式楽的な意味で「式三番叟」が舞われ、それに続いて歌舞伎が演ぜられる。子ども達の可愛らしさと熱演に対して、観客から感嘆と励ましの声が飛ぶ。

(3)上演に向けて
 以前は担当町内の子どもだけが役者となったが、最近は出演希望者を町内に限定せず募る。女子も可。これは、揖斐祭りこども歌舞伎の新しい姿勢である。振付師を中心に外題・役者・配役等が決定されると稽古が始まる。練習場は町内のコミュニティーセンター。こども達や指導の振付師の色々な世話をはじめ祭りの準備から終了まで、担当町内で責任を持って執り行う。

(4)子ども歌舞伎への地域の願い
 従来、5町内の独自性がそれぞれに強かったものを、平成20年4月より「揖斐祭子ども歌舞伎保存会」を結成し会則を定め、組織を一本化した。これは、単に祭りと芸能との関係保持や地域の伝統文化としてこの芸能の継承を図っていくことを目的とするだけではない。郷土を愛すること・地域の活性化・地域ぐるみで子ども達と心を通わせること等への強い願望が込められている。

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稽古風景 神社に到着した「練り込み」