地域文化研究所

能郷の能・狂言 岐阜・西濃地方 岐阜・西濃地方本巣市

連絡先本巣市教育委員会
根尾公民館
TEL本巣市教育委員会 058-323-7764
根尾公民館 0581-38-2515
住所上映時間4月13日(雨天決行)、13:00から

アクセス方法

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樽見鉄道樽見駅下車、市営バスに乗換、能郷下車。
車の場合、国道157号北上、能郷大橋を越え、
最初の分岐点で係員が駐車指示。

解説

(1)由緒・系譜・保存会の結成
 能郷の能・狂言は、白山神社の祭礼における奉納神事として、毎年4月13日に行われ、猿楽衆十六戸によって世襲されてきた。能方、狂言方と役家が決まっており、親から子へと代々口伝で受け継がれ、その形を変えることなく伝えられてきた。現在、使用されてはいないが、室町期のものといわれる面が20面、室町から江戸中期の装束が多数残されており、歴史の長さを物語っている。明治以降、衰退していたが、昭和33年に岐阜県重要無形文化財に指定されたのを機に、保存会を組織、同51年には国重要無形民俗文化財の指定をうけている。近年は、役家だけではなく、地区内からも参加者を募り、芸の継承につとめている。

(2)芸の特色・みどころ
 猿楽の名残を残すといわれており、能の演者は謡をうたわず、地謡方がシテ・ワキも受け持つ。舞は摺り足を行わず、身振りと円を描いて廻る動きが中心である、などの特徴がある。こうした古いかたちの能は、全国的にも能郷を含め、山形県・静岡県の3ヶ所しかみられないという。古くは篝火を焚き、夜間に行われていたが、大正初期から、昼間に行われるようになった。 近くには、淡墨桜や濃尾震災で発生した根尾谷断層(ともに、国指定:天然記念物)などがある。


(3)稽古場・舞台
 かつては、役家の各家で親が子どもを指導し、本番が近づくと能方、狂言方と集まって練習していたが、現在では、地区の集会場と舞台に分かれて集まり、それぞれ揃って練習を重ねている。舞台は、以前は移動式のもので、当日レールを滑らせて神社の正面に設置していたが、現在では、神社の脇にあたる位置に常設の舞台が設置されている。

(4)伝承者のことば
 後継者不足の問題もあり、伝統を継承していくのは大変であるが、先祖が大切に守ってきた大きな遺産であり、自分たちが習い覚えたものを、しっかりと次の世代に伝えていきたい。

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能郷白山神社 挨拶する演者一同