地域文化研究所

村国座子供歌舞伎 岐阜・西濃地方 各務原市岐阜・西濃地方

連絡先各務原市教育委員会文化財課TEL058-383-1475
住所上映時間10月第2土・日曜日

アクセス方法

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各務原市ふれあいバス休日循環線
「おがせ」バス停下車、徒歩18分

解説

(1)由緒・系譜・保存会の結成
 「村国座」は、壬申の乱に英雄とされた村国男依を祭神とする村国神社の境内にある。芝居小屋は、客席600名収容の枡席と二階席を持ち、舞台に回り舞台、花道、太夫座などあり、客席や舞台天井に見られる太い梁は創建時の力強い気慨を今にのこしている。創建は江戸末期、慶応2年(1866)大庄屋長縄八左衛門の発起で、各務村民が一丸となって寄進や工事に働いた。明治10年頃に完成。柿落し(こけらおとし)は明治15年10月26日「くにち節句」(旧暦9月9日)の祭礼に合わせて行われた。濃尾の大地震、伊勢湾台風など自然の災害にも耐えて、使用されてきた。しかし、近年老朽化が目立ち、「平成の大修理」(平成18年11月~平成21年2月)に取り組んだ。祭礼には、「屋形番」(神輿の係)、「行燈番」(警備や場内整理)、「芝居番」(地芝居上演)を、各務区の、東・中・西の3組が一年交代で担当してきた。地芝居は大正時代には25歳までの青年で演じられてきたが、戦時中から青年団が担当、昭和40年代後半から現代みられるような「子供歌舞伎」が奉納されてきた。

(2)芸の特色
 「村国座子供歌舞伎」には、小学4年生、5年生、6年生が演じていく「子供歌舞伎」と、小学生1、2、3年生が演じる「新舞踊」がある。稽古は夏を中心に練習を重ねる。明治時代の台帳には近年の舞台では見られない珍しい作品があり、仇討狂言を通し上演した記録ものこされている。近年、歌舞伎指導には市川福升師が担い、新舞踊には、早川眞孝師があたっている。芸題(げだい、外題)を決めるのは、子供達の数と能力をみた上で選ぶことになる。

(3)稽古場
 芝居小屋は、年に一度の祭礼奉納上演以外は原則として使用されないために、稽古の進度をみて、村国座の舞台を使用する。

(4)伝承者の言葉
 現在、各務区の東、中、西の3区が1年交代で担当をしているが、3区が協力し合っている。子供の減少に伴い、後継者の育成に多角的な努力をつづける必要がある。

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「奥州安達原」 村国座