地域文化研究所

河合町歌舞伎 飛騨地方 飛騨地方飛騨市

連絡先飛騨市河合振興事務所TEL0577-65-2221
住所上映時間11月初旬(期日の確認要)
会場でバザーが開催されるが、
それ以外の食事場所は
無いので注意。

アクセス方法

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JR高山線角川駅下車、徒歩13分

解説

(1)由緒・系譜・保存会の結成
 本来、角川・有家・羽根(新名)・元田保・上稲越・下稲越等殆どの地域に若社連中が存在し、9月9日の祭礼や農閑期の11月に神社境内で地歌舞伎や買い歌舞伎が楽しまれた。文献的には文化6年(1809)「祭礼ニ付若社連中定証文之事」まで遡ることが出来る。戦後しばらく盛り上がりを見せるが昭和30年代をもってどの地区も一端途絶えた後、 昭和54年、河合村伝統芸能保存会が設立され、平成18年2月1日、河合町歌舞伎保存会の結成となった。

(2)芸の特色
 河合町の歌舞伎は現在では地区毎には行われず、成人と子ども歌舞伎の二つになっている。角川の松井千代吉さん、次いで吉澤好一さんを中心に演じられている。地歌舞伎復活後の上演回数25回、演目数およそ20芸題であり(平成20年現在)毎年苦心を重ねて挑戦してきたことが分かる。また、台本をアレンジして楽しめるものにしてある。女性も混じって大変ユーモラスな場面もあり、若者や子ども達にも受け容れられる要素が盛り込まれた。

(3)稽古場・上演場の設定・設置
 古くは各若社が各氏神境内の拝殿を舞台にしたが、最も遅くまで地歌舞伎が行われた稲越地区でも指導者がいなくなって昭和30年代には行われなくなった。昭和54年復活後は全区が協力して河合中学校や中央公民館を使用して行っている。中学生による子ども歌舞伎もしばしば行われている。 

(4)伝承者の言葉
 毎回、大盛況で雰囲気も極めて良いことは有り難い。配役も女性の協力で大成功しているが、若手の出現が鍵だ。今後継続するためには他にも重い課題がいくつかある。まず、高山市の八伊衣装店のお婆ちゃんもご高齢で1芸題が限度である。私自身、子どもの頃から歌舞伎に触れ体に染みついている。そういった素地がないとセリフも理解できないし役を演ずるにも深みが出てこないし、義理人情といった感覚を今の若い世代が理解すること等、決定的な壁がある。社会が歌舞伎の真の楽しさを味わえる受け皿になれると良いのだが...。

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練習風景(レジェンドあすか) 河合町公民館