地域文化研究所

鳳凰座歌舞伎 飛騨地方 下呂市飛騨地方

連絡先下呂市教育委員会TEL鳳凰座 0576-52-2900
曽我軍二 方 090-7863-3326
住所下呂市萩原町萩原上映時間定期公演 毎年5月3、4日

アクセス方法

map65.gif
JR下呂駅よりバス、約30分。 国道257号線沿い、舞台峠西側麓。

解説

(1)由緒
 鳳凰座の地芝居は、江戸時代末期の文化・文政の頃から始まり、明治大正時代に全盛となった。昭和に入り戦争のため一時的に中断したものの、終戦とともに芝居は復活し、その後昭和35年には鳳凰座村芝居保存会が結成され、現在に至るまで、毎年5月に定期公演を行っている。
 芝居の舞台である「鳳凰座」は、下呂市御厩野の日枝神社にあった拝殿型舞台を文政10年(1827)に現在地に移築された。明治18年の大改装では客席部の増築を行い、昭和28年にも大がかりな改装をしている。平成10年の大改修では、戦後まもなく取り払われていた回り舞台も復活させ、現在の形となった。

(2)芸の特色
 振付は市川福升師、太夫三味線は歌舞伎保存会の竹本美功、豊澤順八両師他が担当している。その他の役者、裏方は保存会会員によって行われているが、この会は定期公演だけでなく県内外各地での公演にも積極的に参加している。特に、平成12年に大阪市の国立文楽劇場、13年には名古屋市の愛知県芸術劇場において公演し、好評を博した。また、岐阜県芸術文化奨励賞をはじめ、数度にわたって各種の賞を受けている。

(3)上演舞台
 鳳凰座歌舞伎保存会のホームグランド「鳳凰座」は、間口約18.3m、奥行き24.5m、2階桟敷、回り舞台付きの600人収容の劇場型舞台で、舞台部分は築後180年という、大変古いものである。客席部屋根を支える3本の梁は、巨大な丸太で、当時の芝居に対する地域の思いの強さが偲ばれる。さらに、1階平土間部両側の桟敷席は、舞台から遠くなるほど床面の位置が高くなってゆく段床になっており、観客にとって舞台の見やすい形になっている。

(4)伝承者の言葉
 地域の貴重な文化である地芝居をこの舞台とともに守り、発展・伝承させなければならない。そのためにも、少しでも若い人の参加をより促していきたいと考えている。

p.65-1.jpg p.65-2.jpg
幕間の客席風景 舞台外観