地域文化研究所

関市獅子舞 中北濃地方 中北濃地方関市

連絡先関市文化課TEL0575-24-6455
住所桜本町2丁目 文化会館隣上映時間例年10月第3日曜か、文化の日、文化会館

アクセス方法

map59.gif
岐阜バス栄町1停徒歩5分、長良川鉄道関駅から徒歩5分

解説

(1)由緒・系譜
 関市地方の獅子芝居は、日露戦争(1904~5)後から昭和初期にかけて、市内各地に導入され、盛んに上演された。導入の源は尾張説が有力である。昭和30年代衰微したが、30年代末期から、神事芸能として保存しようとする声が高まり、昭和43年4月に、関市獅子舞保存会が組織された。同44年10月には、関市無形文化財に指定された。
 現在、獅子神楽を伝承しているのは、剣の舞を行う春日町(春日神社神楽)と貴船町、かみ神楽という悪魔払いを行う植野・大杉・下迫間・中村、獅子芝居も伝承している下有知・小瀬・黒屋・山田・上肥田瀬である。かみ神楽を奉納する4地区と小屋名では、かつては獅子芝居を行っていた。

(2)芸の特色など
 獅子芝居を現在も伝承している下有知など5地区は、神社の祭礼では、嫁獅子によるかみ神楽奉納を行い、その余興として、地区の公民館で獅子芝居を上演したり、関市文化会館で揃って獅子舞大会を行っている。獅子芝居は、地区によって若干の違いはあるが、最初に獅子が笛・太鼓・唄などの囃子につれてかみ神楽を演じ、その後、三味線・浄瑠璃(太夫・狂言方)・言葉(台詞方)がついて、嫁獅子が入った歌舞伎の一部(サワリ、切狂言)が上演される。どの地区も、嫁獅子や他の役者の動きが敏捷であったり、コミカルな動きをして、観客を笑わせたり、泣かせたりする。各地区とも名優がいる。

(3)稽古場など
 各地区獅子舞保存会は、関市獅子舞保存会の支部とされ、それぞれの地区公民館等で、用具・衣裳を保存し、稽古をしている。主役となる獅子舞役は、かみ神楽の曲芸もあり、独り稽古で修練を積んで臨んでいる。

(4)伝承
 どの地区も、獅子芝居は、役者・囃子方・狂言方(太夫)・言葉・三味線、それに舞台係・司会者など、20~30名のスタッフが揃ってこそ上演でき、子孫繁栄等を願って、大変な情熱を注いでいる。費用の調達や、揃っての稽古日の確保、後継者育成を大きな課題としている。

p.59-1.jpg p.59-2.jpg
「神霊矢口の渡し」 小瀬獅子舞保存会 道行風景 小瀬獅子舞保存会