地域文化研究所

美濃歌舞伎 東濃地方 東濃地方瑞浪市

連絡先代表者・小栗栄輝TEL0572-68-0505(事務局)
住所〒509-6251 瑞浪市日吉町8004-25上映時間8月最終土曜日
10月第1金曜日

アクセス方法

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《 美濃歌舞伎博物館・相生座 》 瑞浪インターより車で15分

解説

(1)歴史・沿革
 江戸期より買い芝居が盛んに開催された地域であり、江戸末期には住民たちの手で上演されるようになった。また市内に衣装屋があったこともあり、明治期には盛んに上演された。各企業などでも上演された記録がある。戦争による中断はあったが、戦後の復興を祝い再び各地域で上演されるようになった。江戸期神社には拝殿型の舞台も多く作られ、公民館は芝居ができるように設計されていた。昭和30年代に一度衰退したが、40年代に地元の企業家の呼びかけで昭和47年4月、保存会が立ち上がり復興した。指導者には戦前からこの地域を指導していた松本団升師を招いた。以来、市や町の援助を受けず独自の活動を継続している。


(2)見所・特色
 松本団升氏の伝承する江戸期の「型」を残すことを大切にし団升師没後は娘の団女氏が指導を引き継いでいる。余計なものを足したり、そぎ取ったりせず、江戸期の歌舞伎の泥臭さが残ったものといえる。また本来の奉納上演の基本姿勢を守り、地域で生まれ、育まれたものが変化しないように心がけている。芝居小屋・衣装・浄瑠璃・役者がそろっていることは特質すべきところである。


(3)稽古場・上演場
 保存会発足当時は、地域の公民館を借りて練習し、上演は大きな車庫(倉庫)などを利用して行っていた。昭和51年に相生座を移築再建してからは、常設の稽古場・上演会場となった。以来、年2回(夏-恒例定期・秋-地域ボランティア)の自主公演をおこなっている。


(4)今後と課題
 発足以来38年を迎え上演回数も100回を越える。保存ということの意味を失うことなく次の世代に伝えてゆくために、常に原点に帰っての活動を行っている。活動の柱は①美濃歌舞伎(瑞浪市文化財)の型の保存 ②相生座の保存活用 ③衣装(瑞浪市文化財)カツラの保存活用 ④後継者の育成である。子供教室は1年を通じたプログラムで開催し、芝居上演だけに留まらず裏方や浄瑠璃三味線指導も手掛けている。課題は資金不足と指導者などの不足である。

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相生座内部 客席から舞台 幟がたちならぶ相生座入口