地域文化研究所

安岐歌舞伎 東濃地方 中津川市東濃地方

連絡先中の島公園や保存会への連絡もできるが、振付師豊沢団力(加藤進)氏の連絡先、割烹旅館「孫八」に連絡を取るのが最も確実な方法。TEL0573-63-2456
(割烹旅館「孫八」)
住所上映時間

アクセス方法

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恵那I.C.より国道19、257号を阿木川湖方面に約10km。
阿木川大橋手前左折3km。(中の島公園ふれあいの里)

解説

(1)由緒・系譜・保存会の結成
 元禄11年、1698年の繰り人形興業の記述に始まり、阿木では古くから芝居が盛んに行われた。はじめは人形浄瑠璃が中心であったが、1800年代、文政ごろより芝居のほうが優勢になる。明治20年頃、地区内の村々にも芝居小屋が建設され、買い芝居も行われた。中でも安岐座は収容人数1200人を誇り、回り舞台、2本の花道を備え、「阿木に来て下手な芝居はできない」と言わせるほどだった。昭和32年、阿木地区が中津川市に統合されると、木造の安岐座は膨大な維持費を確保できず、盛んだった青年歌舞伎も停滞がちとなった。昭和57年ごろ、ついに安岐座(公会堂)は取り壊しとなった。
 昭和60年阿木中学校の竣工に伴い、同体育館にてふるさと芸能伝承活動の発表の場として、25年ぶりに歌舞伎が披露された。その後、阿木中之島公園ふれあいセンターに会場を移して不定期ながら上演されてきたが、平成15年を最後に活動が途絶えている。

(2)芸の特色
 芝居が盛んであったため振付師もたくさんいた阿木地区であったが、時代の流れと共にその人数は減り、最近では豊沢団力氏の振付を頼りに、子ども歌舞伎を中心として舞台が行われてきた。豊沢氏は自ら役者、義太夫、三味線もこなす多才な振付師で、指導の生き届いた見応えのある舞台が行われてきた。

(3)稽古場・上演場および現状
 阿木地区は現在人口2600人ほどで、そのうち小中学生が180人ほどである。近年は中学生による安岐太鼓が内外に評判よく、盛んに活動が行われていることもあって、膨大に時間のかかる歌舞伎にまでは手が行き届かない面もある。振付師の不足も深刻で、豊沢氏一人では、経済面を含めた運営面まで切り盛りして上演していくことは不可能である。協力者を募って運営の体制さえ整えばいつでも質の高い歌舞伎を披露することが可能な状態にある保存会である。早い時期に、最も復活が待たれている団体である。

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子ども歌舞伎 中の島公園総合交流ターミナル