地域文化研究所

蛭川歌舞伎 東濃地方 中津川市

連絡先蛭子座(中央公民館)TEL0573-45-2211
住所中津川市蛭川2197番地1上映時間10月第3日曜日

アクセス方法

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《 蛭子座 》
JR中央線「恵那」より「蛭川」行きバス「蛭川村役場前」下車。
役場の左の道路つきあたり。蛭川小学校隣。

解説

(1)由緒・系譜・保存会の結成
 江戸時代より、蛭川での地芝居は盛んに行われていたらしく、明治初期から神社境内の舞台に関する記述が残っている。明治34年、芝居小屋「蛭子座」が落成。村で全ての経費を賄ったという。歌舞伎でにぎわった小屋も戦時中は軍需工場として使用される。戦後昭和24年に新築された「蛭子座」もにぎわったが、人口流出などが理由で昭和44年を最後に一時活動停止。平成元年、地元の有志保存会発足、翌年より舞台再開。中村高女氏を振付師として、活動を続けている。
(2)芸の特色
 地元のメンバーで運営、演技をし、小中学生による子ども歌舞伎も盛んである。中村高女氏の指導による演技は、どれも完成度が高く、一つ一つの動きの細部にまでわたって型が定められており、それをしっかりと守り通していることがわかる。地芝居らしく、老若男女50人以上の会員で舞台をつとめ、会場には一体感があり、暖かい声援が飛ぶ。毎回楽しみに見に来るファンも多い。
(3)稽古場・上演場の設定・設置
 江戸時代より盛んだった地歌舞伎は、神社舞台などで行われていた。初代蛭子座は明治34年落成以来にぎわい、軍需工場を経て2代目蛭子座は、名古屋の御園座を模した造りで、正面三階建て、回り舞台、花道、升席完備。舞台背後に大座敷にも使用可能な二階建て楽屋を持つ。公民館も兼ねている。稽古、上演ともこの場所で代々行われたが、老朽化が激しく、外観を同じくした大規模改修に着工。平成21年3月完成予定。近くに駐車場、食堂などがある。
(4)伝承者の言葉
 特徴的な蛭子座の小屋の造りを見ていただくだけでも一見の価値はあり、ぜひ上演の際には足を運んでいただきたい。日本画家安藤栄年の手による大額など、内装も充実している。毎年公演を重ね、好評を博し、中学校の授業でも取り上げられている。それでも会員の減少や経費の確保など、抱えている課題もあり、芝居小屋改修を機に、今後より一層の盛り上がりと、観客を含めた芝居人口の拡大を期待している。

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子ども歌舞伎 蛭子座