地域文化研究所

常盤座歌舞伎 東濃地方 中津川市東濃地方

連絡先中津川市
福岡総合事務所文化スポーツ課
TEL0573-72-2143
住所上映時間3月最終日曜日

アクセス方法

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《 常盤座 》
中津川インターから車で約20分、高山交差点信号を西に約2キロ。
近くに食堂などはあまりないが、弁当などが館内で販売される。

解説

(1)由緒・系譜・保存会の結成
 加茂郡や恵北地方を支配していた苗木藩は、常に財政に苦しみ、芝居を容認せず、しばしば禁止令を出した。その厳しい取締りの中を巧みに潜り抜け、福岡の各地区の神社境内の舞台で歌舞伎は続けられた。明治になってようやく近隣地区と同じように活動ができ、明治24年、高山地区に現在の常盤座が落成した。戦後の昭和30年代になって、他は時代と共に衰えていったが、常盤座は残った。昭和48年、保存のあり方を考え直すために一時活動を休止した後、昭和50年に保存会を結成し、福岡全ての地区の歌舞伎の場として根付いている。
(2)芸の特色
 地元のメンバーで運営、演技をしていて、小中学生による子ども歌舞伎も盛んである。中村高女氏、吉田茂美氏の指導による演技は、完成度が高く、昔から続くきめ細やかな所作がみどころ。地歌舞伎らしく、男女問わず全ての役者が、地元からの応援を受けながら演じている。桟敷、地元の人による売店、音響など雰囲気もよい。
 演目でも、上記写真のように中央の歌舞伎ではあまり行われないようなものが演じられることもある。買芝居といって本職の歌舞伎役者を招いたり、電気の照明を使わないろうそく歌舞伎を試したりするなど、興行の工夫も見られる。
(3)稽古場・上演場の設定・設置
 江戸時代は、神社の拝殿などで行われていた。常盤座は、明治24年、常盤神社の隣に建てられ、回り舞台、両花道、二階桟敷を備え、骨組みのしっかりした風情があり、練習、上演が行われる。音響、幕引きなどには、最新の機器が使われていて、時代に合わせた柔軟性も見られる。平成11年には楽屋が増設された。
(4)伝承者の言葉
 伝統ある芝居小屋は風情があり、活動も活発に行っているのでぜひ見に来て欲しい。大学の研究生に舞台を踏んでいただくなど、様々な企画も楽しみにしてほしい。地域の一体感をもっと高めて協力体制を作り、若い世代も保存会にどんどん入ってほしい。

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二階桟敷席から舞台を望む 常盤座