地域文化研究所

横道の獅子芝居 東濃地方 恵那市東濃地方

連絡先小木曽宏行 方TEL0573-47-2269
住所恵那市上矢作町横道上映時間2月第4日曜・横道公民館・上矢作公民館
・岐阜県獅子芝居公演会時など

アクセス方法

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中央線恵那駅から明知鉄道岩村下車。市営バス30分。

解説

(1)由来
 昭和10年4月、恵那郡上村(恵那市上矢作町)横道の万光寺の大般若会のとき、龍田賢明住職が出身の恵那郡下手向(山岡町)の獅子舞連を招き、獅子芝居公演を行ったことを機に、地域民が横道獅子舞の会を発足させ、稽古して自ら上演するようになった。太平洋戦争中の昭和17~20年は中止していたが、戦後の昭和22年に復活した。同52年2月に保存会が設立され、以後、現在まで、地元や各地で公演をしてきている。
 昭和52年3月、上矢作町の無形民俗文化財に指定され、平成16年10月の恵那市合併で、恵那市の指定無形民俗文化財となった。
(2)芸の特色
 下手向から伝授された演題は、幕捌き、鈴の舞、いざり勝五郎、八百屋お七おそめ久松、葛の葉姫子別れ、妹背山、おかめの舞、関取千両幟、鏡山お初、忠臣蔵七段目、傾城阿波の鳴門等である。平成19年11月18日の第七回岐阜県獅子芝居公演(三郷町宮盛座)では、忠臣蔵七段目-一力茶屋の場-を上演、しみじみと情感と哀愁をただよわせ、観客を酔わせた。特に、謡いが、伝授元の下手向の白山比咩神社の獅子芝居と似通っていて、興趣深い。演じるものは、それぞれの一部で、一番泣かせ所、山場を切り取ってみせている。
(3)稽古場
 稽古場は横道公民館であり、保存会員の古老が指導者となって稽古をつけている。主役の嫁獅子の衣裳は自前であり、囃子の笛・太鼓や謡いも自前で継承している。嫁獅子以外の配役の鬘や衣裳は、専門店から借りだすが、着付や化粧は、保存会員が分担している。
(4)保存会長の話
 鬘や一部の衣裳は借り出すが、あとは自前だからやってこれた。現在、保存会員は16名に衣裳方が5名で、ほとんど50歳以上ばかり。20~30歳の人に加入してほしい。演題が、忠臣蔵七段目、おかめの舞、関取千両幟がお箱で、よく演じるが、伝承のためには、ほかの演目も演じていきたい。平成13年に、岐阜県獅子芝居協議会が発足し、競演会をするようになったことは、良い刺激だ。

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稽古風景 「関取千両幟」