地域文化研究所

下手向の白山比咩神社獅子舞 東濃地方 恵那市東濃地方

連絡先西尾充正 方TEL0573-65-3292
住所恵那市山岡町下手向上映時間10月第2日曜
・下手向獅子舞会館
・岐阜県獅子芝居公演協議会時

アクセス方法

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JR中央線恵那駅から明知鉄道。山岡駅下車タクシー8分。

解説

(1)由来
 恵那市山岡町下手向の白山比咩神社には、豪壮な男獅子が奉納されていたが元禄15年、岩村城主に信州小諸城主であった松平乗紀が移封されると、小諸の嫁獅子が城下の岩村に導入されたという。享保年間に、その嫁獅子が下手向に伝わり、祭礼に奉納されるようになったと言われている。
 大正13年(1924)岩村の三浦半左が嫁獅子を主役にして歌舞伎のさわり場面を上演するようになり、下手向でも習って白山比咩神社祭礼に奉納するようになって、獅子芝居が始まった。平成2年1月、岐阜県無形民俗文化財指定を受けるに至った。保存会はそれに先立って、昭和63年6月結成された。
(2)芸の特色
 初日、白山比咩神社から荒木の森、御旅所へと渡御し、夕方獅子舞会館で獅子舞や獅子芝居を上演。翌日、御旅所から神社へと御行列し、各所で嫁獅子による悪魔祓いをして神社へ帰り、青年団による悪魔払い、おかめひょっとこの舞、保育園児の悪魔祓いが行われる。
 獅子芝居を演ずるのは、地区の青年達である。囃子は笛と太鼓で、嫁獅子を主役とする幾つかの芸題の獅子芝居が「唄」につれて上演される。「関取千両幟-稻川内の場」や「忠臣蔵七段目-一力茶屋の場」が、哀愁を帯びた唄につれ、情感たっぷりにしみじみ演じられる。現在上演される芸題は、ほかに、八百屋お七、お染久松、箱根山、神霊矢口の渡し、妹背山。
(3)稽古場
 稽古場は下手向獅子舞会館で、振付を西尾充正名誉会長が中心になって行っている。衣裳は、自前で作ったり、用意したりしているが、一部は衣裳屋から借りている。化粧師はプロに頼んでいる。
(4)伝承について
 地区の青年団が、芸を受け継いできた。その青年達が一家の働き手ということで、稽古の時間を確保するのに苦労している。白山比咩神社の祭礼は、家毎に役柄が振り分けられているので、遠方へ勤務している者も、祭礼時には帰郷して、その役目を果たしているので、どうにか伝承がなされている。

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獅子舞会館での稽古風景 獅子舞会館