生活科学専攻

研究業績

研究活動

生活科学専攻では、洋裁・和裁の高い技術を身に付けた家庭科教員の養成を目指した研究を行っています。最近の研究内容を紹介します

① 高等学校家庭科教育におけるジャケット製作と指導法の工夫

高等学校家庭科教育において「被服」分野で被服製作技術検定を教えることのできる知識や技術をもつ教員や指導教材が少ないと現場の声を聞いた。技術指導の充実・向上を目標に、被服製作技術検定1級の知識と技術を身に付け、生徒のつまずきを解消することのできる分かりやすい指導教材を作成した。

②中学校家庭科教育の保育領域に関す一考察

平成20年中学校技術・家庭科の学習指導要領改定により、保育領域における「幼児と触れ合うなどの活動」はすべての生徒に履修させる内容となったことを踏まえ、「幼児とのふれあい体験」を経験してきた人と、経験してこなかった人を比較検討した結果、経験した人の方が、「幼児が好きになった」「命の大切さに気付いた」「周りに感謝するようになった」と回答した割合が高い。幼児と触れ合うことの必要性や意義を感じている。

③家庭科と他教科・他領域との連携

生活を創造していく主体的な態度・能力の育成を達成するために、家庭科と他教化・他領域の連携が有効である。保育分野と社会科との連携では、地域の地理的特徴を題材にしたすごろくを作る学修指導案を作成。食物分野と保健体育との連携では、生徒が自分の健康状態を踏まえた食生活を考える学習指導案を作成した。

④アボガド種皮によるエシカル染色を教材に活用

免疫機能の向上、薬用効果があるとされるアボガドの種皮を使用してエコ的に染色できる事を色彩学的に明らかにした。絹・毛・綿の天然繊維は暖色系に染まり、ナイロン・ポリエステルの合成繊維は寒色系の色相に染まることが分かった。子供に感性教育や環境教育に効果的なエシカル教材として活用できる。

⑤日本刺繍についての研究~フランス刺繍との比較~

応神天皇14年春に百済から縫采女が日本へ送られてきたのが日本の刺繍の始まりである。仏教の浸透と共に仏の世界を表す繍仏が中心であったが、後に小袖の装飾に用いられるようになった。絹布に絹糸で刺繍する高価な日本刺繍に対して、フランス刺繍は綿糸を使い材料・道具共に入手しやすく安価であることが分かった。しかし、どちらも自然界の花鳥風月の図案が多いことから技法は類似している。

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